Ordinary World vol.10 | φ ~ぴろりおのブログ~

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イタズラなKiss&惡作劇之吻の二次小説を書いています。楽しんでいただけると、うれしいです♪ 

『今度の土曜日、109前に3時半でいいかな?』

『はい。大丈夫です♪』

『じゃ、土曜日に。楽しみにしてる。』



「琴子ちゃん、いつも可愛いけど、今日は一段と可愛いね。あれ?友達は?」

「用事があるらしくって、スイパラに直で来るって。」

「そう。じゃあ、行こうか?」

「はい。」


...あれ?琴子?誰だ、あの男...楽しそうに笑って...何だよ...どこ行くんだろ?...

まさかデートじゃないよな...ちくしょ。これからオレ約束があるんだよな...誰なんだよ、アイツ...


「琴子、いいじゃん、結城先輩。そりゃあ、入江君には負けるけど、男らしくてカッコいいし。なんか誠実そうじゃん。

 いい加減入江君なんて諦めてさぁ、幸せな恋をしてもいいと思うよ。琴子のこと、好きなんじゃない?」

「そんなことないよ。結城先輩はね、そうゆうんじゃないんだから。失礼だよー。先輩待ってるから、早く戻ろう。」

「あっ、ちょっと待って。口紅直すから。」


「おれ、もしかして食べすぎ?引いてない?渋皮モンブランもクラシックショコラも、すっげぇ美味かったなぁ。」

「私は、ミルフィーユとパンナコッタが特に美味しかったな。結城先輩って、ほんとスィーツ男子なんですね。」

「好きなんだよー。甘いもん食ってると、しあわせ感じるんだよな。」

「わかります。今日私たち、すっごくしあわせだよね、琴子。」

「うん。ほんとほんと。」

「よかったーっ。いやぁ、おれこそ、男同士じゃ来れなかったわ。ほんと二人には感謝。」

「先輩、何言ってるんですか。私たちの方こそ、ご馳走になっちゃって。申し訳ないです。」

「この後、何か予定あるの?何もなかったら、ちょっとブラブラしてから、メシ食わない?おれ一人暮らしだしさ。

 帰って一人侘しくメシ食うより、せっかく両手に花だから、一緒にメシ食ってもらえるとうれしいんだけど。」

「別に予定はないですけど...」

「琴子、いいじゃん。お言葉に甘えちゃおうよ。」



「あっ、入江君。私、琴子の友達の理美です。いま渋谷の居酒屋なんだけど、琴子、迎えに来てもらえないかな。」

「なんで俺が、琴子を迎えに行かなきゃなんないんだよ。」

「だって、つぶれて寝ちゃったんだもん。」

「勝手にアイツが飲み過ぎたんだろ。」

「結城先輩って人と一緒で、帰り道だからタクシーで送ってくれるって言うんだけど、さすがに寝てる琴子、

 任せるのはどうかと思って。いい人そうだし、大丈夫だとは思うんだけど...」

「......」

「兄貴、貸せよ...あっ、もしもし。俺、裕樹。琴子が何?」

「あっ、裕樹君。琴子がつぶれちゃってね。迎えに来て欲しいの。」

「わかった。すぐ行く。場所教えて。」


「結城さん、電話したら、家の人が迎えに来てくれるって。だから、大丈夫です。」

「...そうなんだ。」

...あれっ...いま、一瞬すごい嫌な顔された気が...気のせいかな...気のせいだよね...


「ごめんね。裕樹くん。」

「こっちこそ。連絡ありがと。琴子、何やってんだよ。帰るぞ。」

「う~~ん。入江く~ん。迎えに来てくれたのぉ?」

「ちげーよ。裕樹だよ。」

「タクシーまで、両側から抱えた方がいいだろ。」

「琴子に触んなっ...すみません。つい...オレ一人で大丈夫ですから。」

「ほら、琴子。ちゃんと立てよ。」

「はぁ~い。入江く~ん。」

「だから、ちげーよ。裕樹だって言ってんだろ。バカ琴子。」

「結城さん、でしたよね。お世話かけました。失礼します。理美さん、ほんとありがと。」

「うん。じゃあね。裕樹くん、よろしくね。」

...裕樹くんって、琴子のこと...えっ?..結城さん?..怒ってる?...なんか...ちょっと怖いよ...

「...あの、結城さん。私もここで失礼します。ご馳走さまでした。」

「...あ..ああ..じゃあ、ここで。」


「うふふ。入江く~ん。」

「ほんとお前、いい加減にしろよ。せっかく迎えに来てやったのに。裕樹だって言ってるだろ。」

「あれ?裕樹くんかぁ。そうかぁ。そうだよねぇ。入江くんが...迎えに来てくれるわけないよねぇ。」

「...いいじゃんか。オレが来てやっただろ。」

「そうだねぇ。裕樹くんはぁ、やさしいねぇ...どぉしてぇ、やさしくぅしてくれるのぉ?」

「どうしてって...琴子がバカだからだよ。」

「そっかぁ。バカだからかぁ.....バカってなによぉ。」

「ぷっ...おせーよ。」

「...裕樹くん。いつもありがとぉ。」

「...いいよ、別に...気にすんな。」


~To be continued~