Some Day My Prince Will Come vol.13 | φ ~ぴろりおのブログ~

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イタズラなKiss&惡作劇之吻の二次小説を書いています。楽しんでいただけると、うれしいです♪ 

「えーっ。今回のテストの結果で、足切りを決めることはみんなも知ってたと思う...

 で...君らの点数なんだが、思いのほかすばらしかったので、数人を除いてはほぼ全員安心してよろしい。

 あー、池沢。池沢金之助はわたしと進路指導室に来なさい。」

「お...おれだけ。」

「早く来なさい。」

...だから、意地はんないで、一緒に来ればよかったのに...ひゃ~ 本当はおれも、あの運命だったかね...


「金ちゃんには、悪いけどよかった~~っ。」

「本当だ。あーっ。親が泣いて喜ぶわぁ。」

「でも、これも、それも...」

「「「「「「「 入江君のおかげよねーっ。」」」」」」」

「ねー、入江君になんかプレゼントしない。みんなでお礼にさー。」「そーね。いいわー。」

...プレゼントかぁ。そーよねー。もーすぐ、クリスマスだし...私だけでも、あげたいな...

いっつもお世話になりっぱなしだし..ね。それに、明日から試験休みだし...

とはいっても、入江くんが欲しいものなんて...好きな人の好きなものもわからないなんて...情けないよね...

そうだ!手編みのセーターは?...1年かかっても、エリとそでがせいぜいね...

手作りチョコは?...でも、好きかな...バカだな、私って...何が欲しいかさっぱりわかんない...

私にできることっていったら、肩をもんであげることくらいかな...そうだ!!あった!!

...そうよ!!これっ!!低周波マッサージ器っていうの...いいかもいいかも♪

値段は...うっそぉ。こんなにするの?!...お小遣い全然足りないや...これじゃムリだな...どうしよう...



「ヘイ。らっしゃい。何にしましょっ。」

「おれ牛丼大盛り。」

「ヘイ。牛丼大盛り二人前。味噌汁一人前。」

「ほー。威勢のいい姉ちゃんが入ったな。こりゃ、いーや。牛丼小町だね。」

「おじさんうまいなー。じゃ、明日も来てね。」

「おっ、こりゃ、まいったな。わははは。」

...でも、入江くんにだけには、見られたくないわね...この姿。

「大盛り、お待ちっ。」


「いーよな、おまえは。今回ももちろん満点でトップ。学校始まって以来の全教科満点で卒業する生徒らしいぞ。」

「あぁ。」

「おい。そーいや、今回のF組の試験結果がすごかったの...お前の力なんだろ。

 それじゃ、お前がその気になったら、F組のヤツ、全員を100番以内に入れられるな。」

「...バカ言えよ。」

「ほんとだよ。」

「なー。腹減ったな。何か食わない?」

「あぁ。何でもいーよ。」

「それじゃあ、近場で美味いとこは...やっぱ夢沙士スパゲティかな...んっ、なに?牛丼食いてーの?どうした?」

「いや...」

「あ...あれえ。あの子、お、お前の―」

「しっ。」

「おいおい。牛丼屋の店員だぜ。勉強もしないで、バイトかよ。」


「らっしゃい!何にしましょ。」


「すっげー、はまってんな。彼女。」

「...。」



...なんで俺、こんなとこ一人で来てんだ......あいつに見つかったらマズイよな...


「コトちゃん、来たよー。」「らっしゃーい。おじさん大盛り?!」「オウ、味噌汁もね。」

「今日も元気いーね。コトちゃんは。」「はーいっ。大盛り二人前。」


必死で頑張って働いても大した稼ぎにはならないのに...バカだよな...もう帰ろう...

...せっかく稼いだ金だって、どうせあっという間につまんないことに使っちゃうんだろ...

まったく...オンナって、いったい何考えてんだ?...わかんね...



12月25日クリスマス...

「帰ってきたわよ。急いで。」「いい?入江君がドア開けたら、セーノで...よ。」「きたきた。セーノで...」


「「「「「「「「「「「「「「「 メリークリスマス!入江君!!」」」」」」」」」」」」」」」


「あ、あれ?おどろかないねー。」

「琴子、あんた、しゃべったんじゃ。」

「しゃべってないよー。」

「驚かせたかったんなら、玄関の山のよーなクツを隠しとくんだったな...じゃ、ごゆっくり。」

「まっ、待って。入江くん。えっとね。F組のみんなが入江くんにお礼がしたいって、終業式の帰りに集まったの。」

「F組みんなからの気持ちです。どうぞ!!」

「ヘェ。それはどうも。」

「ねっ。あけてあけて。」

「な...」

「金ちゃんにナイショで、みんなで作った琴子人形よっ。」

「...悪いけど、全然うれしくない。」

「ひっ、ひどーい。」

「捨てちゃえ、お兄ちゃん。」


「あの、私からもえっと、入江家のみなさんにクリスマスプレゼントを。いつもお世話になっているお礼です。」

「これがイリちゃんおじさんに。これがおばさん。これが裕樹くん。」

「まぁ、パパ見て。この可愛いエプロン♪」「わしはバスローブだ。」「なんでぼくが〈もっと絵が上手くなる本〉なんだ。」

「い..入江くんには、は..はい。よ...よろこんでもらえるかな。」

「また..お前の人形じゃないだろうな。」

「ち、ちがうわよ。」

「ふん......」

「なにそれお兄ちゃん?」

「低周波治療器。」

「肩もみ器よー。」「なんてムードのないっ。」「信じられないわ。琴子の感覚。」「もぉ..バカじゃないのぉ。」

「えっ?えっ??そ、そお?そお??」

「じじくせ。」

「気に入らなかった?...」

「あら、琴子ちゃん。これって高かったでしょ。」

「えっ、いえ...一週間バイトして...やっと買えたの。でも、気に入らなかったら...別にいいの。気にしないで。」

...これ買うために、バイトしてたのか...俺がよく自分で肩もんでたから...なんでそこまで...俺のために...

「まーっ。それで毎晩遅かったのね。何のバイトだったの?」

「え...あっ...レ、レストランのウェイトレスです。」

「...。」

...なんで、ほんとのこと言わないんだ...やっぱり恥かしいのか...


「これは琴子ちゃんに。」

「えっ、えーっ。私にですか。」

「パパと私からなの。」

「わー、素敵な写真立て。」

「で、お兄ちゃんは琴子ちゃんに...」

「あるわけないだろ。」

「だろうと思ってね。考えといたわ。お兄ちゃんからのプレゼントは、琴子ちゃんとベッタリ2ショット写真なんてどお?

 写真立ての中身にね。」

「えっ。えーっ!!ひ、ひえ。そ、そんな、ベッタリなんて...入江くん、嫌がりますよ。」

「あら、いーじゃない。写真くらい。」

「おばさん、いいんです...入江くんがイヤなのに、無理強いしないであげてください。」

「いいよ。そのかわり、絶対一枚だけにしてくれよ。」

「まー、お兄ちゃん。ス、ステキ。いーわよっ。」

「こいよ。」

「は、は..いっ。」

「これでいー?」

きゃーっ!!入江くんが私の肩を抱いてる...ドキドキがとまらないよぉ...赤面するなって方がムリだよーっ..

「き、きゃーっ。い、いーわ。お兄ちゃん、サイコー。そ、そのままよ。」

...ど、どーしちゃったんだろ。い、入江くん...手が...肩が...顔が...こんなに近くにあるなんて。

入江くんの息まで聞こえる...こ、こんなこと、や、やってくれるなんて...キ..キセキ?

「琴子ちゃん、笑ってーっ。」

...こいつ、真っ赤になっちゃって...こんなことくらいで...おもしれーっ...もうちょっと、からかってみるか...

「なぁ...教えてよ。」

「え...えっ??」

「〈ヘイらっしゃい〉っていう、大声の出し方をさあ。」

「えっ!!うそっ。」

「こっ、琴子ちゃん!!」

「なかなかいい声だったぜ。もう一回、言ってみてよ。」


...おばさん、怒ってたなぁ...思わず入江くんから離れちゃった...1枚だけだったのに...

でも、入江くんが触れた肩が...なんだかまだ熱いよ...


~To be continued~