応接室を出てお部屋に案内されていくと、、、、
りーんりーんりーーん
鈴みたいな音色は鈴虫だったんです。
音で秋を告げる演出。
残暑の中でもとても涼しい気分になりました。
お部屋に入ると、はっとするような素敵なお花の演出がされていました。
秋の風情。日本人の四季の感覚って体にしみついているんですね。目から入ったそのお花から秋の色々が情景が無意識のうちに思い出されてきました。
床の間には酒井抱一のお軸ととても素敵な琵琶。
お軸も秋の花で本物のお花との呼応が面白いです。
まだ夏のしつらいに残暑の風情も残って、うつり行く季節を感じます。
お料理も最初から驚きというか、なんて素敵な演出!と心が躍りました。
初めに出てきたのが烏賊と海老に雲丹でアクセントをつけたものを、石焼きするお料理。
見てください。この、カキ氷を敷き詰めた中に焼いた石が配されて、なんともいえない贅沢です。
こちらはすっぽんのお椀。骨が全くないように処理されていて、また、クセがなくて、こんなに美味しいすっぽんは初めてでした。
毎回感動して歓声があがるのがこの八寸。
季節によってさまざまな趣向が凝らされ、ごちゃごちゃとしがちな八寸を、すっきりと美しくまとめてあります。
もちろん、一つ一つがとても美味しいです。
こちらは最後の鮎ご飯。ご飯もさることながら、上に乗せていただいた骨の繊細で美しいこと!
どうやって取り出したのか、身の方はとってもきれいなまま。もちろん小骨も残っていませんでした。魔法のようですが、これもきっと板さんたちの地道な手仕事のたまものなのですね。
他にもあこうのお刺身、ぐじの雲丹焼き、小芋のゼリー寄せごま仕立て、水物などが出ました。
どれも、普通の倍も3倍もの過程を手を惜しまずに仕事されています。
それが、ムダではなく、本当に美味しく、美しくなるための手間なんですね。
確かにお値段も普通のお店に比べたらしますが、普通のお店に10回行くよりはこの1回には価値があると思います。
ただし、こちらも気をはって「お客ぶり」よくいきたいものです。
そのうちに料亭の基本的なマナーも書きたいと思います。