カミーラ・シャムジー
松本 朗 訳
1945年8月9日 ドイツ人コンラッドとの結婚を控えた女性 田中寛子は一瞬にして閃光と爆風とともに その世界を失う 背中に鶴の形の影を残して・・・
傷心の寛子は コンラッドの異母姉を頼り インドのデリーへ エリザベス〜イルセとその夫ジェームズのヴァイス夫妻のもとで暮らすことになり 使用人のムスリム青年サジャットにウルドゥー語を学ぶうちに次第にふたりは惹かれ合う〜彼女にはコンラッドのサジャット談の印象あり⁈
パキスタンの分離独立でエリザベスとジェームズはイギリスへ戻りその後離婚 サジャットと寛子は一時インドを離れトルコへと居を移したことで故郷に帰れずパキスタンに暮らすことになる
夫妻のひとり息子ヘンリー・バートンとサジャットの関係はインドから ヘンリーがイギリスの寄宿舎に入ることにより絶たれるのだが 物語はその後大人になったふたりの再会 そしてサジャットと寛子の息子ラザに繋がる
何ヶ国語も操りと明晰だったラザだったのに大学受験の際のパニック症状を克服できず 父の期待母の慰めは その頃彼を敬愛するアブドゥッラー〜兄弟は皆イスーラム戦士 とともに彼をアフガニスタンへと向かわせる・・・
その後 ニューヨークのヘンリーの娘キム その祖父ジェイムズ イルセ・ヴァイスは91歳になり原爆投下の長崎から インド パキスタンの分離独立 ソ連のアフガニスタン侵攻 2001年同時多発テロとたどる壮大な遍歴は
著者の 他民族 多言語国家のパキスタン・イスーラム共和国生まれ カラチの名門校での英語教育 米国ハミルトン大学 マサチューセッツ大学アマースト校創作プログラムで修士号を取得
という経歴に納得⭐️
作中にも出てくる「インドへの道」のインド統治のイギリスなど人種や言語を超えて 原爆投下の長崎を当事者ではない著者の克明な語りなど 平和への希求をひたすら感じる一冊でした📗
しかも今正に夫ネトフリ視聴中!
「オッペンハイマー」


