マーティン・エイミス

北川絵里子 訳


三人がそれぞれランダムに語ります


アンゲルス・ゴーロ・トムゼン

ヒトラーの最側近だったという実在の人物マルティン・ボルマンの甥として庇護されていてナチスの情報将校中尉 ハンサムで任務より女性たちにより関心 所長ドルの妻 ハンナに執心

パウル・ドル 
強制収容所所長 司令官としていかに効率的に“積み荷”を収容管理するにはなど粉骨砕身 その反動か過度の飲酒 薬物依存 そんな所長としての威厳を誇張のため⁈竹馬〜身長矯正器具使用 
妻ハンナの気を向けるため トムゼンを遠ざけ かつてのハンナの恋人であり共産主義者のディーター・クリューガーを意図的に貶め
死亡した下士官の妻アリシュに親切心をちらつかせ近づき孕ませ堕胎させるという見下げた奴

シュルム・ザハリアシュ
ポーランド系ユダヤ人でありながらゾンダーの特別労務班長として同胞の後処理を担う ナチスの非道さを認識しながらも逃れられない彼の語りが痛ましい

ほかにもトムゼンの叔父マルティンと叔母 友だちボリス その彼が気にかけている収容所の少女エスター 庭師ボフダン などなど出てきますが

そうです!映画では収容所はいっさい出てこず気配だけだったのがここではすべてが繰り広げられ
戦争談義〜日本軍太平洋マレーシア勝利とか ポーランド系ユダヤの死体処理脂肪を燃料にというのや 170ライヒスマルク女性150名実験バイエル社に売却とか 毒ガスの害虫駆除材は弾丸より安い ポーランド人虐殺の燻製消毒50キロ先まで臭うのでその臭い消しに両切り葉巻・・・とか💦
平然と語られます なのでついつい途中でやめてしまい かなり気力がいる読書でした

ハンナがまったく違う人物造形で トムゼンとハンナの恋愛事情に重きが置かれて しかもトムゼンはハンナの影響で思想さえも変わっていく というところは良しとして なにかと女性攻略に余念がない男どもに・・・

そういえば あの行進のとき膝を曲げないで歩くのは“グースステップ”ということを知りました^ ^
著者はアラン・シリトーあたりと同時代ということですが ときおり皮肉が効いていたりして文章は読みやすく 嫌いではないし他の作品を読んでみたいものです📚
あぢ〜💦今日もジム帰るとき37℃と出ていました💦
みなさまもお気をつけてくださいませ