ジュリアン・サンクトン
越智正子 訳
ベルギー🇧🇪南極探検隊を率いるのはそれが幼い頃からの夢だったというベルギーのアドリアン・ド・ジェルラッシュ・ド・ゴメリー 資金集め人集め共に難攻しながらも船🚢 ベルジカ号を調達なんとか航海にこぎつける
アメリカから参加のフレデリック・アルバート・クックは船医兼民俗学・写真撮影担当 船長ジョルジュ・ルコワント 一等航海士ロワール・アムンセン 加えてジェルラッシュの親友エミール・ダンコ中尉 ノルウェー人船員カール・アウグスト・ウィンケ他にも科学者たち
途中寄港で早くも数名脱落 最後は19名にという波乱の始まり⁈ながら1897年8月 アントワープを出発!嵐に巻き込まれウィンケを失いながらも 後援者とマスコミの評価が一番の隊長ジェルラッシュの無謀な判断で南進 がしかしその後ベリングハウンゼン海の氷に囚われ身動きとれなくなり遂に越冬することになる という第一部
閉じ込められた船内での日々 アコーディオンを弾いたり カードゲームをしたり 雑誌の切り抜き〜なんと500枚!の美人コンテストなどの気晴らしも 水銀が凍る氷点下38.8度以下 5月16日からの70日間の極夜のなか 船倉に巣食うネズミ 原因不明の病気 狂気に陥る男たち
クックは“太陽欠乏症”と名づけなんとか皆の気持ちを明るくするために燃える火の前で裸で過ごす“火あぶり療法”などさまざまなことを考案 壊血病にはペンギンやアザラシの生肉を食すことで改善 も及ばすタンゴが命を落とし希望を失くす隊員たち
7月22日再び太陽はのぼりその時間は毎日20分ずつ伸びて行くが期待の 周りの氷はビクともせず遂にノコギリで切り出し“氷に体当たりをかまして”運河を作り と続く緊迫の第二部
ペンギンとの交流会 スキーで遠出 氷の上でのテントなどの探検話もあるものの氷の世界の閉塞感に読んでるだけで胸が苦しくなる
“越冬船”とあるから戻って来ているのは分っていてもハラハラ 迫り来る氷の音に恐怖感❗️
まえの↓ エンデュアランス号のときとは また違う探検隊に目が離せませんでした📖
しかもこのエンデュアランス号は
捕鯨船だったパトリシア号をベルジカ号として生まれ変わらせた造船業者 ラーシュ・クリステンセンとジェルラッシュが組んで「ポラリス号」を新造の史上最強の木造船 それがアーネスト・シャクルトンに売られて「エンデュアランス号」と改名 ということが終章の “ベルジカ号、その後” にありました
ラストにはやはり地球温暖化に言及の筆者のプロローグの
“1926年 医師として勤務の後は 囚人番号23118の受刑者となるドクターは 有名な極地探検家だった そんな彼をノルウェーからの訪問者が現れる”
という導入部という構成に写真や地図とたいへん読みやすかった
そして何よりクックその人 彼がいなかったら成し遂げられなかったのでは⁈と思うほどのアイデアと健康に向き合う真摯なところに惹かれる⭐️彼の説く“太陽礼賛”日照時間が少ないと冬季うつ病気味な私も同じく!1日1回はお日様に当たりましょう^ ^
というところでまたまた有意義な一冊は本友ハイジさんのオススメでした♪