歌舞伎町で走り回る二人。


疲れた詩織はあきらめ雅人の方へ振り向き、

「なんでそんなにしつこいのよ!」


「お前を愛してるから。お前はもう離せない。」

と雅人は詩織を抱きしめた。


しかし、二人は喧嘩の多い二人だった。


あれもこれも、詩織は雅人が結婚してることに原因を押し付けていた。

詩織自身もそれだけが原因ではないことぐらい理解していた。

雅人も自分ばかり責めていた。


ある日。


雅人が仕事終わり、いつも通りにラブホテルに行く。

雅人が財布のがま口を開けたらキラリと開くもの。


詩織は思わず

「指輪.........なんでもない」


ベットn入る詩織はなんだかもどかしさがあり、

「寝るね。」



雅人も異変に気がつき、

「どうした?機嫌悪いのか?」


「別に。疲れただけ。」


「違うだろ!なんだよ!」


「そんな怒んなくてもいいでしょ!?じゃこの際言うけど、

財布の中に入ってる指輪なに?私たちのペアリングと一緒に

がま口に入れとくなんて神経おかしいんじゃない?」


雅人は黙る。


あなたにとって私はなんですか?

一緒の場所に二つの指輪。

ひとつは契約を結んでる人との。

もうひとつは不倫相手との。


詩織はそのとき思った。

本気になりそうだった...。


「指輪でそんなに言われると思ってなかったし。

結婚指輪を持っているからってそんな深い意味はない。

お前が一番大事だよ」


もしかしたら本気になっていたのは私だ。

遊ばれていたのは私の方だったんだ。


詩織は涙を流した。結婚指輪という言葉を聞き、改めてこの人は別の人のものなんだ。


忘れていたよ。


距離おかなきゃ。本気になればなるほど悲しい恋なんだから。



大学の入学式。


そのまま上がれるから周りの環境は全くと言っていいほど

変わらない。


しかし、入学式で隣りに座った子が話しかけてきた。


「さなっていうのよろしくね!」


見かけない子だけど可愛い


「どうも。」


つかさず隣に座ってるりさが


「こいつ愛想悪いけどいい奴だからごめんね!仲良くしよー☆」


相変わらず詩織は愛想が悪かった。



入学式も終わりそのまま飲み会。


さすが都内でも有名な大学の飲み会は

高校とは全く違った。

かっこいい人、可愛い人勢ぞろいだった。


その中でも内部生あ目立っていた。


夜12時回ったところに詩織の携帯に電話がかかってきた


calling雅人


と表示してある。


「はい。」


「今仕事終わった。何してんの?」


「大学の子たちで飲み会。」


「は?そんなの知らないんだけど。」


「式終わってそのままだから言うの忘れた。ごめんね。」


「迎えいくからどこいんだ?」


「新宿」


「プー.....」


ただらぬ気配に詩織は動揺している。


とりあえずみんなに帰ると伝える。


雅人も仕事場は新宿だからすぐ来るだろう。


3分もしないうちに歌舞伎町のドンキ前の信号に雅人がいる。


「まさと」


「しおり」


目は瞳孔が開いているぐらい大きかった。


「雅人怒ってる?」


「怒ってはないけど心配させんな。」


確実に怒っていた。


詩織は酒も残っていたためベラベラと怒り出した。


「怒ってるじゃん。なんなの?連絡とかいちいちしなきゃだめ?

結婚してるくせに束縛しないでよ。お前めんどくさい。

めんどくさい人嫌いなんだけど。私帰る。」


確実に詩織は家に帰れる電車はない。


雅人はわかっているから追いかけてくる。


「やめてくれる?ストーカー」


それでも付いてくるから必死に詩織は逃げて歌舞伎町の町へ消えていった。

私はいつの日かこの日を待っていたのだろうか

運命というのは自分で変えることもできるが、実際何が起こるかわからないこの世中で

何をどう変えるかなんて予測できないものだ。

私はただ愛する人が欲しかっただけかもしれない。

求め合うだけ求めた夜。


「愛してる.....あぁ....」


「私も....あん....んん,,,」


詩織の体には雅人の体が染み込んだ。体を許した瞬間なんて覚えてない。

付き合うと決めたけど、結婚してる人に好きと言われても信じれるわけがない。

愛してる半分、形式的にSEXしたのは間違いない。

「いっちゃううう.....あん」


「俺もイクよ....ああっっ!」


雅人は果てた。


さすが29歳という大人で、SEXは今までの男より格別に違くて詩織はイってしまった。


雅人は詩織のお腹に出したものをきれいに拭きだす。


(本当に慣れてるなあ。)


雅人は詩織とキスを交わし、ぎゅうと抱きしめる。


「絶対大切にするから一回きりなんて言うなよ?」


「詩織は大丈夫。雅人のこと好きだから。」


「ありがと。雅人って呼んでくれた笑」


詩織自身もなんで雅人と呼んだかわからない。

心から雅人のことを受け入れたんだと詩織は感じた。


二人してタバコをふかしながら過去について語る。


奥さんのこと、仕事のこと。詩織が今まで付き合ってきた人の話。家族の話。


詩織は何でも話せた。詩織の心に深い傷を負っているのは家族のせいなのだ。



いつも両親に詩織の兄と比較されながら生きてきた詩織。

ストレスは溜まる一方で人道外れた生き方をしてきた。

詩織は家族の話をするとすぐ泣いてしまう。


「俺は詩織のこと全部つつんで愛していくから。」


涙溢れ笑顔こぼれ、詩織は雅人のことを信じていこうと決意した。



(やっと見つけた。この人しかいない!)



詩織は高校生ながらも、一生を考える人を見つけたのだ。



詩織は無事高校を卒業し、大学の入学式まで毎日雅人と過ごしていった。






もう八月も終わりますね。

あなたにとって大切な人はいますか?

いるとしたらその人のことを大事にしましょう。

失ったときにはもう遅いのですから。