「ソーネチカ」 | naokoの日記

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リュドミラ・ウリツカヤ
沼野恭子 訳


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本の虫 ソーネチカ容貌も体つきもぱっとせず
ただひとつバストは豊かだけど早熟過ぎてそぐわないため
だぶだぶの上着でかたを落として背中を丸め・・・・がしかし

”ものを読む才能が人並みはずれて”いて
本の世界にふっと入り込む
”ドストエフスキーの不気味な奈落の底に沈んだ”とおもうと
”ツルゲーネフの並木道に浮かび上がり”といった具合に

やがて図書館専門学校を卒業 図書館の書庫で働き始める
その幸せを感んじつつ そこにさらなる幸せが

フランスから帰国した反体制的な芸術家
ロベルト・ヴィクトロヴィチと知り合って結婚
娘 ターニャをもうけ 幸せの絶頂のように感じるけれど 違ってて

その娘が成長 その友達ヤーシャを交え家族を営むものの
そのヤーシャとロベルトが・・・娘はサンクトペテルブルクへ出奔

そんな不幸のどん底 のようなシーンにあっても
これが またしても幸せなの 彼女は

ヤーシャの存在で芸術にあらたな一面を開花の夫のことが嬉しかったりと
そんなこともあるけど 日常の些細なことに何か悦ぶことをみつける才能というか
生きてゆく姿勢が彼女をいつも幸福にしている


旅から帰って 一冊目はロシアな気分だったので^^ の選択
 サンクトペテルブルクの写真編集しながら読みました♬

ところが これが紛れもない静かな感動の一冊だった☆彡

本の虫だということをはじめ 容貌や体形 物語にワープするとこ
その物語世界が 現実の結婚 出産して母になる喜び などの経験によって
あとかたも無くなるほど強烈だったりするとこ
まるで昔の私をみてるよう


1920年~30年代 レーニンからスターリン
その後も 体制が変わると通りの名前も変わる
そんなロシアの歴史に翻弄されながら
あの頑なな表情の下にはこんな繊細な心があったんですね

シンガーミシン アポリネール ガウディ 気にかかるモノや人も登場♬

年老いたソーネチカが耳鳴りとともに開く プーシキンに
やっぱりプーシキン博物館行ったら良かったなぁ
と思うもあとのまつり よし今度はプーシキンを読もうかな♬