なぜ戦争はおきたのか | 現在と未来の狭間

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文芸と自転車、それに映画や家族のこと、ときどき人工透析のことを書きます。

ここ数ヶ月は太平洋戦争に関する本ばかり読んでいる。今は五味川純平の「戦争と人間」を読み始めた。これは小説だけど作者はかなりの文献を読み込み、大陸における関東軍が起こした数々の愚行を作品に描き出している。

色々と読み漁り、キッパリと日本が戦争に突入した理由は明示にし難いが、はっきりしているのは戦争をしたかった人たちが日本の中に大勢いたということ。

「戦争と人間」の中ではそれが財閥だったり、新興の財閥の動きと軍の連携が原因として描かれている。

ただこれだけではなく例えば大手の新聞が戦争支持の記事を多く掲載していたということもある。つまりはそうした記事が多くの人から支持を得やすいという状況が日本にはあったということ。もちろん右翼の活動もあったが、左翼的な行動があれば即、憲兵隊がしょっ引いて拷問にかけるということもあったから。国民は政治に対する不満は言いずらかっただろうし、それよりは大陸への領土拡張による経済的な発展に期待する方が容易かったと言える。

やはり領土進出的な野心に国全体が傾いていたというのが戦争突入の理由じゃないだろうか。

それがアメリカからの経済制裁に結びつき、自らでは止めることが出来なくなり戦争は太平洋にまで広がっていくことに繋がっていく。日本軍は負けないという自惚もあったのだろう。拡大していく戦線の中で補給戦を維持できないことに気づくのは開戦よりずっと年数が過ぎてからである。その時に日本は戦争の泥沼にどっぷり肩まで浸かってしまっていた。その事実を多くの国民は気が付かないでいた。誰もコントロールできないまま敗戦まで時が過ぎていくのである。

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