最近、こういう話を聴いた。単語を入力すると、そのキーワードを使って自動的に文章を作ってくれるツールがあると。もしかしたらアメブロにもそういうツールがあるのかしら?
文章のコピペの問題もあるけれど、やはりツールに頼るのではなく、人の気持ちが入った文章というのが一番面白いと思う。でも、誰も彼もとブログが反乱する時代で、文章もツールに頼る時代になっているのかなあ。
基本的に感じた事をそのまま書けば、それはその人のオリジナルの文章になる。それが一番大事な事だと思う。人の書いたちょっと良さそうな文章を見つけてそれをコピーして使うというのはもってのほかだ。
文章は絵を描くことに似ていると思う。スケッチを描くように文章を書く。これは私が文章の勉強をし始めたときによくやったトレーニングである。
例えば海の情景を見たとする。これを文章で表すとしたらどう書くか。まずは情報だけ抜き出してみる。揺れる波、寄せる波、泡立つ波際、光の反射、光の反射によって見えてくる海の色など。目からの情報だけでなく、感じた匂い、海を見ていて肌は何かを感じていないか、波際で海水に触れてみたときの感じは、と情報をどんどん増やしていく。
こうした言葉の情報を初めはランダムに書き出してみる。
それらのパーツを並べ替えて、相手が読んだときにどういう順番で文章に書いていけば心にその情景が浮かぶかを考える。基本は自分が感じた順番に書き出していく。すると読み手は、自分の経験を追体験したように感じる。
例えば、
-----------------------------
僕は波打ち際まで浜辺の砂を踏みしめた。
少し風がある。前髪がなびいて陽光が眩しい。空気に磯の匂いが含まれ、肌が湿り気を感じた。
白く泡立つ波しぶきが僕の足下まできた。海を見渡してみると揺れる水面がきらきらと、まるでたくさんの魚のうろこが反射しているように光っている。
海水を手にすくって掲げてみた。頬を伝う水は冷たかった。
-----------------------------------------------
基本的に短い文だけで構成してみた。あとは感じた事を順番に並べただけ。
難しい言葉は使っていない。意識しているのは見て、触って、感じたときの情報量。その中でも当然、見た時の情報量が一番多い。
難しいことを書こうとか思わなくてもいい。人が一番関心を持つのは、他人が感じた何かなんだ。
他人というのはつまりあなたの心の中にしまってある言葉の集まりだね。それが一番、面白いと思うけどな。