※筆者註:このお話を最初から読まれる方は、“テーマ”から「Short story」を選んでください。
「S新聞取材記者の取材メモより」
以下、神奈川県某学園内学園長室にて少年Oが秘密裏に録音したカセットテープから転記。
なお、少年Oがどのような手段でこの音声を録音出来たのかは不明である。
発言はすべて同学園学園長のものとみられる。
「…私だ。理事長には私から説明してある。
…生活指導くらいきちんとできんとは何事かね!そんな事ではキミも大事な道を踏み外す事になるぞ。
…そうだ、そう、教頭の席だと思ってくれて良い。
…予測不能な事故だと!そんなんだからキミはいつまで立っても学年主任留まりなんだ!
…全く、自殺などしおって。ああ、ああ、ウン…。
…何を言っているのかね!キミは! テープの破棄だと。今のタイミングでテープを破棄してみろ。証拠隠滅と思われたって仕方が無いではないか。
…そうだ、私の部屋まで持って来るんだ。しばらくの間はそのテープは私が預かる。学園長室の金庫に隠しておく。
…当たり前だよ! 生徒たちに知れたらタダではすまん!いずれほとぼりが冷めたらテープは処分する。
いいかね? 学園は田城英美子から、あの録音テープを没収した事実はないと言い張るんだ。あの子が勝手に無くしたんだ。そう、そうだ、そういう事にしろ。…分かったね。ウン」