「たくさん作る方がおいしい」とよく言われるのがカレーである。
1人分のカレーを作るのと
10人分のカレーを作るのとでは
加熱にかかる時間が大きく違ってきます。
多くの量を作った方が、
炒めるにしても煮込むにしても、
温度変化がゆるやかになり加熱に時間がかかります。
このことによって調理中に起きる、酵素反応の時間が長くなり
旨みが多く作られるということになります。
また、加熱をやめても、余熱が大きくゆっくり冷めるので、食材に味が含まれやすくもなる。
これは一つの正解だと思います。
しかし逆説的にこうも考えられる。
「大量に作る方がおいしいというよりは、
少量だと上手く作れない」
という考え方である。
炒め物や煮物でもなんでも1名分を作るというのは難しい。
少量だと、出汁や調味料を加えたとしても、
全体の味わいに及ぼす影響度は大きく、味が決めにくい。
ストライクゾーンにもっていきにくいのである。
少量作るのにぴったりな鍋等の調理器具もないので
少し大きめを使わざるを得ない。
当然、熱の食材への伝わり方は変わってくる。
鍋を傾けたりして使うこともあり、煮詰まるのも早く味が安定しないのである。
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