秋のおいしい根菜・レンコン
今回はレンコンの正しい茹で方、科学的な知識を学んでいきましょう。
レンコンを茹でる際には、酢を加え、水からボイルします。
レンコンに限らず根菜類は水から茹でるのが定説です。
薄切り等ではなく、ある程度の大きさのある根菜を水から茹でると、温度は少しずつ上がっていくことになり、外と中心部の温度差が少なくなる。
このことにより、全体の火の入りが均一になり、さらに煮崩れ防止にも繋がるのである。
酢の量は、水の5%程度です。
酢を加えるのには2つの理由があります。
①白く仕上がる
レンコンの色素が湯に加えた酢の酸の働きで白くなり、
褐変を引き起こす酵素が熱で変化することで、白く茹で上がるのである。
酢の分量はお湯の5%程度と触れましたが
これ以上だと蓮根に酢の味が入ってしまい、逆に少ないと色度めの効果は期待できなくなってしまいます。
②歯切れがよくなる
レンコンのおいしさは何と言ってもその食感にあります。
酢を入れたお湯でレンコンをゆでると、やわらかくなりにくく、シャリとした程よい食感になります。
酢のお湯でゆでるとやわらかくなりにくいのは、程度の差は若干ありますが、野菜全般に当てはまります。
野菜の食感が変わるというのはペクチンが関係しています。
このブログを読んでくれている人は
ペクチンという言葉が何度も出てきているのでご存知だと思いますが
ペクチンとは何か!?
おさらいしていきましょう。
レンコンに限らず、植物の細胞には細胞壁があり、細胞壁と細胞壁の間にはペクチンという物質が存在しています。
ペクチンは、細胞と細胞をくっつけるセメントのような役割を果たしているものであり、
ガラクツロン酸という糖が長い鎖のようにつながったものです。
加熱した野菜の食感には、この鎖の長さが大きく影響します。
ペクチンの鎖が長ければ野菜はかたさを保ち、
短ければ ペクチンが溶け出しやすくなって細胞と細胞の結びつきが弱まり、野菜がやわらかくなるのです。
野菜を酸性の湯(酢を入れた湯)でゆでるとペクチンの鎖が切れにくいため、野菜はやわらかくなりにくいのです。
よって、酢を入れてレンコンをゆでると、やわらかくなりにくく、程よい歯ごたえのある感じに仕上がるのです。
酢蓮(すばす)などにはもってこいなのです。
補足で説明すると
酸性の水でゆでるとペクチンの鎖が切れにくいため、野菜はやわらかくなりにくいと述べましたが
逆に野菜をアルカリ性の水でゆでると、 ペクチンの鎖が切れて短くなりやすいので、野菜はやわらかくなります。
このアルカリ性の力を使ったいい例が山菜です。
山菜は繊維が固いものも多く、木灰や重曹といったアルカリ性のものを使って加熱することで柔らかくし、食べやすくするのです。
さらに山菜においては、繊維を柔らかくすることで、アクを溶出しやすくすることにも一役買っているわけです。
みなさんのおいしい料理作りの参考になれば幸いです。
頑張って下さい。
応援しています。
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