小麦粉は、体に良くない

…と言われて久しいですけれども。

 

私は、そう聞くと

なんか切なくなります。

 

 

 

幼少期から、パンが大好きで

いまも好きです。

 

「小麦粉が体に良くない」と知ってからは

避けるようにしていますが、

それでも時々、パンを食べることもあります。

 

 

 

小麦粉が体に良くない理由としては、

  • 日本人の体には合わない
  • 日本で売られている小麦粉の大半は輸入小麦で、輸入小麦には除草剤が残留しているといわれる
  • 現代の小麦は品種改良されすぎて、遺伝子的には本来の小麦とは変わり果てた植物になってしまっている

…などの話を聞いたことがあります。

 

 

 

3番目の理由は、

イタリアに住んでいたときに

よく聞いた話です。

 

私がイタリアにいたのは

'90年代の終わりから2000年代でしたが

小麦アレルギーのある人が多いため、

スーパーで、普通に

米粉のパスタやパンが売っていました。

 

 

 

当時のローマでは

お味噌やお醤油などの日本の食材は

自然食料品店でしか売っていなかったため、

自然食料品店によく行っていました。

 

 

 

そういうお店の人たちと話していると

よく小麦の話が出てきました。

 

人間が小麦を操作してきたために、

小麦がいかに変な植物になってしまったか。

 

そして、それを食べた人間が今度は

アレルギーで苦しんでいる

…という話です。

 

 

 

のちに取材で出会ったのが、

イタリアのある田舎の農家さん。

 

その人は、

シードバンク(研究所みたいな施設)から

古代小麦の種をもらってきて

栽培していました。

 

 

 

自分の畑で栽培した古代小麦を

自分で挽いて作ったパンを

食べさせてくれました。

 

 

 

いまでも、口の中に

その味がよみがえります。

 

いままで食べたパン…というか、食事の中でも

3本の指の中に入るほど

美味しいものでした。

 

 

 

「小麦の味」がしっかりと力強く、

噛めば噛むほど

ジワ~ッとにじみ出てくる。

 

太陽をたっぷり浴びた味というか、

「自然の恵み」そのもの

とでも言うような味でした。

 

いまだに、あのような味のパンには

出会ったことがありません。

 

 

 

本来の小麦とは、

ああいう味なのだと思います。

 

そして

小麦さんは古来から、世界中で

人類が生き延びるのを

助けてきてくれたのだと思うのです。

 

 

 

それが、

人間が勝手な都合(安価に大量生産するため)で

したことのせいで

いまや、世界中で悪者にされてしまっていて

ほんとうに申し訳ない

…と思います。

 

 

 

あの農家さんは、

いまでも無農薬野菜や

古代小麦をつくっているのかなあ…

 

もう

イタリアに行きたいとは思わないけれど、

あの農家さんだけは

「また訪ねてみたい」と思うのです。

 

 

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