本戦全9試合中6試合がKO決着、そのどれもが記憶に残るKOシーンで、満員の後楽園ホールをいつも以上に沸かせたKrush.155。

本戦をそれぞれ振り返っていきます。
※長くなるので前半と後半に分けていきます。


①豊田 優輝 vs “狂拳”迅

バランス良く攻撃を分けてくる豊田の動きに対して、常に冷静に自分に有利な距離・ポジションを保ち、合計3度のダウンを奪った狂拳が、KO勝利。
ダウンを奪ったパンチのどれもが狙ったモノでなく、反応で出ていた部分に、「技」としてインプットするための相当の練習量を感じた。
怪我に悩まされていた時期を終えて、来年からまた改めての「狂拳」の道を楽しみにさせてくれる見事な勝利。





②友尊 vs 目黒 翔大

トップファイターとの対戦も多く、常にベルトを狙えるポジションにいるハードヒッター友尊と、「コツコツと相手を削る」独特のスタイルに磨きをかけて3連勝中の、目黒の一戦。
遠い距離からパンチの強打を当てていきたい友尊に対し、そのパンチを振らせない至近距離での無限の攻撃を続ける目黒。友尊が離れればすぐに距離を縮めて「削っていく」目黒、という展開。

最終ラウンド、友尊がパンチの打ち合いの場面にチャンスを見出すも、徹底的に自分のペースを保ち続けた目黒が判定勝ちで4連勝。

目黒、1試合ごとに確実に力強さを増しているスタイルに、ダウンやKOを奪えるパワーも身に付けば一気にスーパーフェザー級のタイトル戦線に入っていける。




③川﨑 聖亮朗 vs 斉藤 雄太

5連敗中の川崎と、4連敗中の斉藤。それぞれの背景に色んな覚悟と思いを持って臨む一戦。
一発の当て勘と自信を持つ斉藤は序盤からいつも通りに強打を振っていく。
川崎は冷静に距離を取って、ロー・カーフを有効に当てていく。

2R中盤から少しずつスピードが落ちてきた斉藤に対し、パンチをまとめて試合のペースを自分のモノにしていく川崎。
最終ラウンド、カーフが効いて斉藤が倒れ、立ち上がるも再びカーフでダウンを奪われ川崎のKO勝利。

5連敗という長いトンネルを抜けた川崎の清々しい気持ち。カーフで倒れながらも最後まで目が死んでいなかった斉藤の背負っているモノ・コトの大きさ。
結果を超えた、それぞれの人間のドラマを感じた戦いでした。




④龍華 vs 岩﨑 悠斗

同門の先輩 大沢文也が絶賛する龍華と、6年ぶりにリング復帰してから3戦目の「隠れた実両者」岩崎の一戦。

距離を縮めてパンチを当てにいく岩崎に対し、左ミドル、ローを上手いタイミングで当てる龍華、という立ち上がり。
2R 、龍華がこれまで見せていなかったハイキック一閃!岩崎、何とか立ち上がるもレフェリーが試合を止める。ベテラン実力者の岩崎をインパクト大のKOで破り、龍華が存在感を輝かせた。