「恩讐の彼方に」

一言で言うと大分・耶馬溪の難所に「青の洞門」を開削した僧侶了海の話し。

これは、江戸時代後期に実在した僧侶禅海の史実をもとにした作品だが、一部、著者の創作が含まれている。

「青の洞門」の逸話は、子供の頃に何かの本で読んだことがあるが、この青の洞門を題材とした「恩讐の彼方に」を読むのははじめてだった。


この本もご多聞に漏れず、新字体新仮名使いで編集されているので、作者の意図が損なわれていないかどうか不明だが、旧字体旧仮名使いのものも読んでみたいものだ。

悪行を重ねた末に人間の業に苦しむ市九郎が出家して全国を行脚し辿り着いた豊前國において交通の難所で毎年幾人かが犠牲となっていることを聞き、この難所を往来する人々を助けんと岩山を掘削しはじめる。


人間、信念を持って一つのことにこれほどまでに打ち込めるものなのか!

人間の計り知れない力を感じる。

小生にもこのような力が備わっているのだろうか? 否!