連休後半の最大イベントは、3月に亡くなった母の49日の法要でした。

 

当日は、雨女だった母にしては珍しく、綺麗に青空が広がり、とても良いお天気に。

 

 

 

 

早朝、前泊していた諏訪湖畔のホテルのお部屋よりぱちりしましたが、

 

盆地の山並みの向こうには、北アルプスも綺麗に見えます。

 

 

 

 

お通夜は、3月下旬だというのに、雨女の母らしく雪交じりの荒天でしたので(;^_^A

 

 

 

 

今回は、汗ばむような初夏の良いお天気に恵まれ、良かったです。

 

平均年齢80歳以上の集まりですので、かなり気を遣いましたが、

 

滞りなく無事に全てが終了し、ほっとしましたよ。

 

いまだに疲れが取れずにいますが、お越しいただいた方々にも喜んでいただけて、

 

父も最後は思わず嬉し泣き?

 

法事に楽しかったとか良かったという表現も変ですが、90歳過ぎのまあ大往生の

 

部類でしょうから、和気あいあいと母を偲んで、良いひと時になりました。

 

 

 

さて、前日は、準備のため諏訪湖畔のホテルに前泊。

 

折角ですのでプチ旅行気分で、小一時間にも満たない僅かな時間ですが、

 

ホテル周辺を少しだけ散策し、センチメンタルジャーニーを楽しみました。

 

 

先ずは、ホテルの関連施設でもある「片倉館」に行ってみました。

 

 

 

 

片倉館とは、1928年(昭和3年)に旧片倉財閥(片倉製糸)により建設された

 

温泉大浴場施設にて、設計は森山松之助氏。

 

大理石造りの浴槽は100人が一度に入浴できる程の広さにて、

 

 

 

 

深さ1.1メートルの底には玉砂利が敷き詰められており、

 

俗に千人風呂と呼ばれているそうです。
 

 

 

 

温泉の広い大浴場が好きな夫は、嬉々として片倉館に入浴しに出掛けて

 

行きましたが、私の目的は、温泉ではなく、実は片倉館の建物の方。

 

 

今から思うと、子供の頃から建物(洋館)フェチだったらしく、片倉館一帯の建物や

 

雰囲気が大好きでした。

 

 

 

 

子供の頃から好きな洋館だった私の目に狂いはなく(笑)、会館、浴場、渡り廊下の

 

三棟が、2011年に、国の重要文化財に指定されています。

 

 

片倉館入口

 

正式な入口は、今は駐車場になっています湖畔通りからではなく、一本奥に

 

入ったこちらから

 

 

 

 

正面奥に見えますのが、浴場棟

 

 

 

 

浴場棟↓左手にちらっと写っていますのが、渡廊下

 

 

 

 

 

浴場棟の入口アップにしますと

 

 

 

 

千人風呂営業中

 

 

 

連休中という事もあり、千人風呂の日帰り入浴を楽しむ観光客が、三々五々

 

後を絶たないようです。

 

 

 

 

片倉館の謂れも、アップにしてみました。

 

 

 

 

 

法要後、地元の料亭で精進落としの会食中にも、片倉館の話題が出ました。

 

実は余り大きな声では言えませんが、岡谷出身の叔母の話では、

 

片倉館の温泉施設は、女工達が、温泉にゆっくり入ったり入浴中に寝たりしない

 

ように、立ったまま入浴出来る1.1メートルをいう深~いお風呂を作ったらしいです。

 

なるほど、その方が、一度に大量の女工達を入浴させることも出来ますしね。

 

映画化された「ああ野麦峠」でも有名になりましたが、まさに「女工哀史」の

 

世界ですよね。

 

 

しかし、あくまでもそういう噂もあったというだけにて、HP等によりますと、

 

女工達の福利厚生を主要な目的に片倉館は建設されたものにて、当時は、

 

対岸の岡谷から船を仕立てて、女工達を乗せて片倉館まで入浴に連れて来たとの事。

 

今となっては、何が真実かは、私には分かりません。

 

 

 

因みに「ああ野麦峠」で描かれた女工達の決起と労働争議のモデルは、片倉製糸

 

と並ぶ同じく岡谷の大きな某製糸会社にて、そこの事務所棟と守衛建物も、

 

国の登録有形文化財になっているらしいですよ。

 

まあ、今は昔の話にて、中学時代に演劇部だった私は、「ああ野麦峠」を原作にして

 

顧問の先生に脚本を書いて頂き、病気で去って行く可哀そうな女工や、

 

労働争議を起こそうとする女工達をモデルにした話を、文化祭で上演しました。

 

因みに、私は争議のリーダー格ではなく、大人しくか弱い性格ながら共に決起した

 

女工の一人を演じたような?(かすかな記憶なので違うかもです・汗)

 

 

そう思うと、冒頭の諏訪湖の写真

 

対岸が岡谷、そしてその更に向こうにかすかに見えるのは北アルプス(飛騨山脈)

 

当時飛騨の貧しい農村から若い女の子たちが女工となるために超えた

 

野麦峠もどこかにあるはずだと思うと、同じ景色も違って見えますね。

 

 

 

 

因みに、某会社の件の労働争議の一年後の昭和3年に、片倉製糸は大金をかけて、

 

この「片倉館」を女工や地元民の福利厚生の為に建設しました。

 

岡谷市には、片倉製糸の旧片倉組事務所(明治43年建築)も残っており、

 

そちらの建物は登録有形文化財に指定され、外観のみ見学可との事です。

 

 

更に、映画「ゴジラー1.0」のロケ地にもなりました旧岡谷市役所庁舎

 

こちらも、別の製糸家が1936年に建築し岡谷市に寄付した建物にて、

 

国の登録有形文化財になっているそうです。

 

 

 

さて、話が脱線してしまいました。

 

子供の頃から人と一緒にお風呂に入る大浴場が苦手な私は、片倉館の

 

千人風呂の方ではなく、興味があり好きだったのはレトロな洋館(建物)の方。

 

 

片倉会館

 

 

 

 

同じ洋館でも、どちらかと言いますと、温泉棟の方ではなく、片倉会館の方が

 

好みでした。

 

 

 

 

小学校高学年か中学の頃なのか定かではありませんが、美術の時間にこの辺りに

 

写生に来ました。

 

多分紅葉し始めていた片倉館の庭の木々の彩りとその向こうの片倉会館の

 

レトロなレンガ造りの洋館を、斜め左側から描いた記憶があります。

 

ほぼ、同じアングルで写真を撮影したかったのですが、良いお天気の分

 

逆光にて、正面からですと、残念ながらこんな感じに↓

 

 

 

 

また、はっきりした記憶はありませんが、お庭が当時と少し変わったような?

 

当時から池もあり、木々の場所は変わっていないとは思いますが、

 

 

 

 

↑写真池の手前左手の方に立ち入る事が出来ず(;^_^A

 

 

↓の写真ですと、ちょうど、右側見切れた辺りから絵を描いたと思うのですが

 

 

 

 

庭は当時と違い人工的になっていて、写生をしたその辺りには立ち入る事が出来ず

 

同じアングルからの片倉会館を懐かしむ事が出来ず、とても残念でしたよ。

 

 

思い出のアングルよりは、少し左側になり過ぎてしまいますが、

 

相変わらず、レトロな美しい建物です。

 

 

 

 

ネットの観光紹介HPのお写真から切り取った↓が、一番イメージに近いかしら?

 

 

 

 

そして、子供時代のかすかな記憶では、片倉館の左手に、美術館になっている

 

白い壁の洋館があり、その建物も好きでした。

 

そちらは、入場料無しで入れましたので、片倉館のお庭に遊びに来た時は、

 

片倉館の洋館だけでなく、美術館にも必ず立ち寄り、飾ってある絵だけでなく

 

白い洋館の内部も楽しんだりしたのも子供時代の良き思い出です。

 

 

かすかな記憶通り、その白い洋館もありましたよ。

 

 

 

 

記憶通り諏訪市美術館でした。

 

 

 

 

ただ、記憶では古い洋館だったのですが、諏訪市美術館をネットで調べると、

 

開館はもっと後にて、私の子供の頃はそこまで古い建物ではないはず。

 

不思議に思いましたが、今回、ウィキペディアで調べて、漸く分かりました。

 

 

 

 

片倉館と同時に、片倉製糸によって建設された懐古館という建物が、

 

後年諏訪市に寄付されて、諏訪市美術館になったのですね。

 

 

子供時代の記憶通り、片倉館と同じ年に建てられたレトロな建物だったと分かり、

 

すっきりしましたよ。

 

 

そして、私の子供時代の記憶では、片倉館と美術館の建物の間の、道ではなく

 

狭いところを通り抜けていくと、諏訪湖畔に出たという記憶も合っていました(笑)

 

 

↓は諏訪湖畔側からの写真ですが、子供時代は確か駐車場はなく、

 

諏訪湖畔側から片倉館には入れなかったような気もしますが、定かではなく、

 

うろ覚えにて不明です(;^_^A

 

 

 

 

諏訪湖畔沿いのセンチメンタルジャーニー、片倉館以外にもまだ続きますが、

 

本日はこれにて。

 

 

おっと、言い忘れていました。

 

片倉館のロケ地情報です。

 

2014年の映画「テルマエ・ロマエ」は、片倉館のお風呂にて撮影されたとの事。

 

 

そして、最近では、2019年NHKBSプレミアムの日曜9時からのドラマ

 

「盤上の向日葵」(主演・千葉雄大)にて、片倉館千人風呂、大広間が、

 

撮影に使われたとの事。

 

このドラマは、実は私も見ており、好きなドラマでしたので、片倉館のシーンでは

 

あっと思い、懐かしく思いながら、視聴しましたよ。

 

 

 

 

片倉館以外にも、諏訪湖や上諏訪駅なども含め、地元の方のエキストラの方々が

 

動員され撮影されたとの事。

 

 

しかし、私的には、主人公が諏訪で過ごした子供時代(昭和46年)、

 

極貧の中で育ったという小説(ドラマ?)の設定が、変といいますか、

 

実は納得いかなかったです。

 

学校でお勉強した方ならご存じのように、戦前は岡谷を中心に製糸業で栄えた

 

諏訪地方ですが、戦後は、東洋のスイスと呼ばれる程、精密工業が盛んにて、

 

当時は、諏訪精工舎(現セイコーエプソン)本社を筆頭に、オリンパスや、

 

京セラに吸収されたカメラのヤシカ、オルゴールの三共精機等

 

多くの精密機械工業が多くあり、主人公の父親が働いていた味噌屋さんも

 

小学校の社会科見学で行きましたが当時から近代的な工場になっており、

 

他の地域に比べかなり豊かな地域だったはず。

 

と、小説の設定には??と物申したいですが、ドラマの内容自体は

 

とても面白かったです。

 

 

他にも、↓に引用しましたように、随分多く諏訪周辺のロケ地にて、

 

ドラマは撮影されたようですね。

 

 

 

柚月裕子作「盤上の向日葵」は、松本清張の「砂の器」を彷彿させる

 

サスペンス小説にて、2018年の本屋大賞第二位にランクインしています。

 

 

極貧の中育った主人公は、苦労して東大を卒業し起業、更に子供時代の夢だった

 

将棋のプロ棋士になるべく転身を図ります・・・

 

が、実はかつて殺人や死体遺棄事件に関わっており、徐々に警察の手が伸びて来て

 

破滅へと・・・・

 

 

ドラマの方は、千葉雄大には珍しいかなりシリアスな役柄ですが、好演していて、

 

ずしりと心に残る哀しいドラマで、とても良かったです。

 

小説は読んでいませんので不明ですが、ドラマはかなりお薦めです。

 

ご興味のある方は、宜しかったらどうぞね。

 

 

 

 

 

 

お読みいただき、有難うございました。