カンヌ国際映画祭で、是枝裕和監督、脚本坂元裕二さん、音楽坂本龍一さんによる
映画「怪物」が、脚本賞及び日本初のクィア・パルム賞を受賞
6月2日に公開され、多くのブロガー様もご覧になってお記事をアップされて
いらっしゃいますね。
その話題の映画「怪物」のロケ地が、私の生まれ故郷と知りました。
ネット情報では、見知った箇所多数でロケされていて、驚きと共にわくわく
先週は、実家の父と有料老人ホームに入居中の母の顔を見に、恒例の帰省を。
梅雨時にて生憎の雨の中、残念ながらロケ地巡りは出来ませんでしたが、
駅前の観光センターにて、ロケ地MAPを頂いて来ましたよ。
メインのロケ地は、諏訪市
上の地図のうち、11と12以外は、わざわざロケ地に足を運ぶ必要もないほど、
ほぼ良く見知った場所です。
特に、とても嬉しく懐かしかったのは、
最近拙ブログでもご紹介したばかりの私の通学路であった手長神社の階段
映画の主人公の少年湊と友人依里も、下校中私と同じようにグリコをして遊んで
(以下ご紹介のお写真は、公式HPよりお借りしています。)
もう一つの注目点は、数多くのシーンが撮影された旧城北小学校
城北小学校は、私が小学生の時に大和地区の高台に開校しましたが、
昨今の児童数減少に伴い、数年前に閉校しています。
地元の小学生やPTA700人をエキストラに集めて撮影された登校シーン↓
私自身の母校ではありませんが、城北小学校の近くに、亡くなった父方の
祖父母の隠居屋がありましたので、城北小学校へと登るこの坂の前を、
祖父母の家に遊びに行く度に、必ず通りました。
タクシーの場合は、いつも坂の手前で降りたり、迎車の場合は、ここにタクシーを
配車してもらったりね。
懐かしすぎます。
従姉弟が通っていましたので、行事の折は校舎内にも。
また、校庭では、従姉弟達と一緒に良く遊びました。
城北小学校は高台にあるため、校庭からも校舎からも諏訪湖が見えます。
夕焼けで赤く染まる諏訪湖を見ながら、祖父母の家に急いで走って帰ったり
しました。
是枝監督も、城北小学校の窓越しに見える諏訪湖の見え方がとても良く、
「ここで何とか撮りたい」とみんなが思ったとの事です↓
数十年と空き家になっていた祖父母の家は、結局、コロナ前に、
高齢の両親が決意して、二束三文で、手放しました。
私の蔵書なども置いてあったため、売却直前にそれらの整理に(以前ブログで
少し触れたこともあります)
最後に雨戸をあけて、諏訪湖を眺めた時、青い空と綺麗な山並み、
きらきら光る青味を帯びた諏訪湖の景色が、余りにも美しく、
思わず涙が出て来そうになった記憶が。
祖父母の家からの方が、目の前に建物がないため、より美しく
諏訪湖が一望出来ました。
子供の頃はそれが当たり前でしたから、綺麗だとも何とも思わなったのですが(汗)
この景色とももうお別れかと思うと、悲しかったです。
それ以外にも、上諏訪駅前の歩道橋(帰省時は雨が降っているため
滑って転ぶのが怖く上りませんでしたが)
子供時代はご縁がありませんでしたが(笑)、駅近くの飲み屋街(当時は)のビル
鉄鉱石屋さんの持ちビルだそうです(父談)
それ以外も、下校時寄り道してちょっと遠回りして帰ったりした道(6)とか、
ヘアピンカーブ(9)、諏訪赤十字病院(10)
君の名は。の聖地の一つでもあるお馴染みの立石公園も。
こちら↓は記憶が余りありませんが、
是枝監督もお気に入りの単線の踏切も風情ありますね。
そして、母の実家のあった岡谷市でも、ロケが行われています。
20の丸山橋は、母の実家に遊びに行く時に通る道でした。
そして、17、18、19は、子供時代はご縁がありませんでしたが、
現在母が入居している有料老人ホームへ見学の折に付近を訪れて、
最近見知った場所です。
この上の階で最近妹とランチしましたし、ロケ地ではありませんが、童画館通りから
一本入ったところには、是枝監督お気に入りのアジフライが美味しい食堂もあり(笑)
現在、童画館通りの「ふれあいホール」では、撮影風景の写真や小道具等が
展示されているそうです(期間限定です)
そして、母の実家近くの天竜川と諏訪湖の堺にある釜口水門(21)
釜口水門自体は、渦を巻きながら勢いよく水が流れていて、橋の上から覗くと、
高所恐怖症ですし、かなり怖いです(;^_^A
でも、少し下流の橋を渡り、対岸の花岡公園にお花見に行ったりしましたので、
天竜川沿いやこの辺りの諏訪湖の眺め(↑写真左手)も、とても懐かしいです。
他に、冨士見町では、旧瀬沢トンネルや旧立場川橋梁跡でもロケを。
冨士見町は、堀辰雄の小説「風立ちぬ」の舞台になった場所です。
「菜穂子」のイメージから、軽井沢が舞台だと誤解される方もいますが、
小説に登場する高原のサナトリウムは、冨士見高原療養所です。
堀辰雄の私小説ですので実話ですし、冨士見高原療養所は、竹下夢二が
最期を過ごした病院でもあるそう。
それ以外にも、アララギ派の歌人、島木赤彦や斎藤茂吉、伊藤佐千夫等の句碑が
あったり、多くの文学者の別荘もあり、文学にゆかりのある地域の為、
元文学少女の私は、高校時代、友人達を引き連れ、冨士見町へ文学散歩に(笑)
にもかかわらず、件のロケ地は記憶になく父に尋ねましたら、中央東線の複線化
により線路を付け替えた(1988年)ため、廃線となったトンネルや橋梁だそうです。
どおりで知らないはずです(;^_^A
因みに、ジブリのアニメの「風立ちぬ」って、堀辰雄の小説を参考(原作というには
違い過ぎる?)に作られたものだとロケ地情報を確認していて初めて知りましたよ。
アニメでも、ここは聖地の一つなののかしら???
さて、雨降りの中、父を伴って、母の入居しているホームへ。
帰りのタクシーにて、父が運転手さんに帰り道の指示をしていたのですが、
天竜川の橋を渡って、雨の釜口水門の風情ある景色を眺めつつ
(まさにこの感じ↓)
タクシーは、そのまま、対岸を諏訪湖沿いに走り始めました。
そこで初めて、私は帰り道が違う事に気が付き、慌てました。
私は、父がとうとう呆けたのかと、驚いて。
東京への帰りの電車の時間もありますし、これでは間に合わないと
酷く焦りましたが、父曰く、
「諏訪湖は丸いから、こちらからでも、実家に帰れるよ」と悠然としています。
父は、私がお昼を食べながら、怪物のロケ地の話をしていたのを聞いて、
子供時代の諏訪のごく一部しか知らない私に、反対側からの諏訪湖の美しい
景色を、タクシー超しですが、私に味わって欲しかったみたいです。
岡谷茅野線(県道16号線)を、諏訪湖沿いに、岡谷市湊地区を進みます。
続いて、諏訪市の農村地域へと入り、諏訪湖畔沿いの道を、ガラスの里、
原田泰治美術館(どれも以前はなかった施設)前を通り、
やがて良く見知った諏訪市の賑やかなメイン観光スポットへと。
距離はあります(タクシー料金は嵩みます)が、信号もなくほぼノンストップにて、
結局、時間的には余り変わらず、無事に実家へと戻って来ましたよ。
いつも東側や北側の市街地からしか見ていなかった諏訪湖ですが、
西側から南側、特に西南側から見た諏訪湖の眺めは、新鮮で、
とても味わい深く美しかったです。
父やタクシーの運転手さんの話では、晴れた日には、諏訪湖対岸の山々の向こうに
八ヶ岳や蓼科霧ケ峰も見えて、本当に美しいそうです。
生憎、この日は雨が降っていましたが、逆側からの諏訪湖畔は、
市街地からと違い、より鄙びた自然な雰囲気で、雨で煙る対岸の山々も
本当に美しく、プチ感動でしたよ。
同じようなお写真をご紹介したいのですが、逆側からの諏訪湖の写真って、
観光地化されていない事もあり、全く見つからないんですよね(;^_^A
探しに探して、↓にリンクしたブログより、画像をおかりしました(ぺこり)
諏訪湖のほとり(山岡弘道ノート) - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)
この周辺にお住まいの方のブログのようです。
お写真をお借りさせて頂き、有難うございます。
僅かな時間でしたが、晩年の父との最後のミニトリップになったような?
父は95歳、父が亡くなった後、父と共にこの日、車越しに眺めたあの雨で煙る
美しい諏訪湖の景色を、懐かしい気持ちと共に思い出すような気がします。
ご参考までに、グーグルの諏訪湖及び諏訪地方の地図は、こちらから↓
いわゆる諏訪湖の裏側?
釜口水門周辺以外、余り観光地はありませんが、車でお越しでしたら、
どこか気に入った湖畔で車を停められて、諏訪湖を眺めるのもご一興。
花岡公園は、桜の季節が美しいです(半日村と呼ばれ日当たりが悪い為、遅めに
桜が咲きます。)
それから、今大河ドラマの登場人物の一人でもある武田信玄の息子の武田勝頼
その母の諏訪御寮人(小説風林火山では由布姫)の供養塔のある小坂の観音院。
小説では、諏訪御寮人が晩年を過ごした事になっていますが、真実はいかに。
因みに、高校の遠足にて、小坂の観音院に立ち寄り、文学少女の私は、
由布姫の生涯に思いを馳せた記憶もあり(笑)
今回は、残念ながらロケ地巡りは出来ませんでしたが、思いがけず、実りの多い
センチメンタルジャーニーになりましたよ。
映画「怪物」の方も、好き嫌いはありますが、おおむね高評価のようですし、
機会があれば劇場へも。
といいつつ、私の事ですから、配信・おうち映画まで待つかもですが・笑
お読みいただき、有難うございました。