また起こってしまった。
幼き子供2人を車内に置き去りにして酒を飲み歩き10時間以上も放置した結果、子供たちは車の中で蒸し焼きにされ死んでしまった痛ましい事件が起こった。

報道によると親は黙秘していたり、警察に「車から少し離れて戻ってきた」と言っているあたり、確信的なのではと思わざるおえない。

車の免許を取得できるほどの知力があるならば、日本においてこの時期に人を車内に放置する事が死に直結することぐらい考えなくても分かるだろう。

報道が事実であるならば、これはどう見ても立派な殺人である。

しかもただの殺人では無い。
体温よりもはるかに高い温度の狭く密閉された空間に閉じ込められて蒸し焼きにされるという拷問殺人である。

しかし、現在の我が国の法律ではこれは殺人として扱われず、殺人よりも遥かに軽い刑罰で済むか、最悪執行猶予付きで刑罰すら与えられない可能性すらある。

酒を飲み歩いている間に、絶対に我が子のことが何度となく頭をよぎったであろう。
死ぬかもしれない。
いや、ほぼ間違いなく死ぬであろう。
そう分かっていても車に戻らないという選択を取り続けたのは、よほど強固な意思がそこにあったのではと考えてしまう。


このように親による子供殺しが跡を絶たない。
血が繋がっている親、あるいは再婚相手に殺されてしまったケースを含め、この世にこれ以上痛ましいことがあるかと思えるほど残酷なケースが多い。

政府は動かない。
関心が無いのか。
それどころでは無いのか。

なぜこんなにも残酷なケースが跡を絶たないのに厳罰化を含めた実効性のある対策がとられないのか不思議でならない。
いや、、最近は不思議というより憤りのほうが強くなってきたくらいだ。

親の子殺しを半ば認めたような我が国の現在の法律は、私にとってはとても残酷で悲しく、そしてハラワタが煮え繰り返りそうな思いを毎回させられる。

私は輝きに満ち溢れた未来ある子供達の命をこれ以上失わない為には、「我が国では子殺しは絶対に許しませんよ。」という意志の通った国の姿勢が必要であると思う。

そもそも「我が国ではこれだけは絶対に許しませんよ。」っていう意志のある法律が無い気がする。
ドゥテルテ大統領のようにやれとは言わないまでも、我が国ならではの確固たる姿勢が見受けられる法や決まりがないように思える。

例えばシンガポールなんかは、ゴミのポイ捨てに対する罰則が初犯でいきなり罰金八万円とかなり高額で、並々ならぬポイ捨てに対する国の姿勢が感じられる。

我が国はというと、変わったとしても散々悲惨な同類の事件が起こった後、世論が騒ぎ始めた結果、「こんだけ世間が騒いでるんだから、これ変えたら票が獲れるな・・・」って思ったのかは知らないけれど、やっと重い腰を上げて面倒臭そうに法を改正したような実例しかないように思える。

より強くネグレクトから子供を守る法律や、精神的に追い詰められた親を育児から解放する施設がいち早く出来なければこのような悲惨な事件は跡を絶たないと思う。

もうこんな悲惨な事件2度と聞きたくない。
2度と起こって欲しくない。


湯淺直樹