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さいたま市の一級建築士として、仕事の事だったり、事じゃなかったりする事をつらつらと書いていきます。

前回、以前に設計をした方からリフォームの依頼を受けて、

 

とブログを書きましたが、今度は18年前に高崎市で設計をした住まいのリフォーム&手直しの相談。

 

昨日とっても久しぶりに訪問してきました。

 

独立してまだ3件目の設計で、訪問する前にまずは図面を引っ張り出してよく見返したのですが、見返すにつれ、様々なことが思い出されて、

 

設計したことが、なんだかつい昨日のことのように感じられました。

 

今よりもかなり力んでいたようで、何から何まで、つくっている・・。

 

玄関ポーチ灯も、中から取り出せるポストも、一つの家具に収めているし、居間周りの開口部は小窓以外はみんな木建。

 

雨樋は内樋だし、内壁はしっくい塗。

 

20年近く時間が経過していて、男の子二人を育てている痕跡があちらこちらに窺われているのは、それはある意味当然のことですが、

 

懐かしさの中に、夢中になって、必死に図面を描いていた感覚と熱量がちょっとずつよみがえってきました。

 

でも、当時はまったく気づかなかったけれど、今見ると、これは明らかに独りよがりな自己満足だなという部分もあり、

 

そんなところに限って、劣化が進んでいて、その部分についての手直しの話をするときは、

 

まさに針の筵なのですが、

 

そんなことも含めて、とても貴重な経験なのです。

 

逆に、ここ最近の仕事では、知らず知らずのうちに、思考も、設計の手法も、少しずつルーティン化し、パターン化していることに気づかされました。

 

それ自体は、品質という観点からは、あながち間違いではないとも言えますが、

 

やはり住まいの設計は個別解であり、多角的な視野を持ちながら一つ一つの事象に向き合わなければなりません。

 

おざなりにとは決して言いませんが、今、その一つ一つに、かつてと同じ熱を注いでいるのか?と密かに自省しました。

 

・・・

 

いろいろなよもやま話をしつつ、2時間ほど滞在し、そんなかつての自分自身の熱量も十分に感じつつ、当時の未熟さも晒されて、

 

懐かしんだり、反省したり、の繰り返しでしたが、

 

昔の自分の仕事に面と向かって向き合う時間は、それは、総じていえば、やっぱり「良い時間」でした。

 

そして、これからこの住まいに手を加えることのできることの「幸せ」も実感したのでした。

 

雪を纏った赤城山は、さいたまからよりも山肌がはるかに身近に見え、風も冷たく感じましたが、

 

またしばらくここに通うことになるのだな、と感慨も深く帰路につきました。

 

 

さいたま市の設計事務所 創順居アトリエ 直井建築設計室 http://naoi-boo.com