合格no.15

 
占有の二面性
占有を前主から承継した話
占有には2つの顔がある
第一の顔は、自分だけの占有
第二の顔は、前主から引き継いだ占有
この2つの顔のことを、
占有の二面性という

民法187条(占有の承継)
1項 占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し(第一の顔)、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる(第二の顔)。

短期取得時効における善意、過失の有無は「占有の開始の時」で判定する。時効取得に必要な期間は20年。

民法187条(占有の承継)
2項 前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する。

瑕疵= 欠陥
悪意、有過失、強暴、隠秘→ 占有の瑕疵
 

原始取得
所有権の取得原因には、「承継取得」と「原始取得」がある。
取得は売買や相続などの場合である。前主の権利を承継する。→ 前主の負担も承継する。前主が設定した担保権などの負担は原則的に「取得者」も負うことになる。なぜなら、承継とは、前主の地位を「引き継ぐ」という意味だから。
☆原始取得= 前主からいない取得
ex:埋蔵金の発見
最重要→ 「時効による取得」
原始とはモトモトの始め
取得時効が完成すれば、前主とは無関係に「モトモトの始め」からの所有権を取得する。
前主が設定した担保権などの負担は「消えてなくなる」ことになる。
原始取得した所有権は「雪のようにきれいで誰も踏み荒らしたことのない所有権」である。
 
 

賃借権を時効取得できるか
民法163条は、所有権以外の財産権も所有権と同様の区別に従って10年または20年の経過により時効取得できると規定している。
(時効取得の要件= 占有の継続)
時効取得できる権利= 「地上権、永小作権、地役権」の用益権

☆時効取得の可否が問題になるのは「賃借権」
債権を時効取得することはできない。
取得時効は「占有の継続」が要件であるため、「人に対する権利」を時効取得できるはずがない。(賃借権= 債権)
賃借権は「物を利用する権利」という性質もあり、特に不動産に対する賃借権は、民法や借地借家法で「対抗力」を認められ「物権化」している。つまり「物に対する権利」になりかかっている。
そこで判例は、「不動産賃借権」を時効取得し得るとしている。



 
 
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