2018.1.7は新春文楽公演第1部を観てきました (`*)

「花競四季寿」より万才・鷺娘、「平家女護島」より鬼界が島の段、「摂州合邦辻」より合邦住家の段で、1.25が千穐楽です。


「花競四季寿」は日舞のような作品でした。

万歳の太夫と才蔵が新春を寿ぐ「万才」、一面の雪景色の中、鷺の精が幻想的に舞う「鷺娘」と、新春らしく華やかな作品でした(^-^)


「平家女護島」は近松門左衛門の時代物で、平家に苦しめられた人々や平清盛の末路などが描かれています。

その2段目「鬼界が島の段」は、「平家物語」や謡曲「俊寛」に描かれている俊寛の物語です。

平家への反逆の罪に問われ、配流されたまま許されなかった僧都俊寛の物語に、近松オリジナルの脚色を加えた作品です。

3人で流されたのに、俊寛だけが赦免されずに島に取り残され、去っていく船を涙ながらに見送るというストーリーで、なぜだか私もざっくりとは知っていました(^-^)v

近松オリジナルでは、俊寛も備前までは帰って良いと言われたが、3人を乗せるという書状である以上、成経の妻となった海女 千鳥は船に乗せられないと言われ、融通のきかない使者 瀬尾を斬り殺し、

俊寛が罪人として島に残る代わりに千鳥を乗せてくれるよう主張し3人を見送るが、いざとなると諦めきれず、いつまでも立ち尽くす、というお話ですが

平安時代であれば一般庶民は人に非ずなので、千鳥を乗せても頭数には入らないように思いますし、でもまぁ近松は江戸の人だからかなと思いつつ、そもそも、人名と紐付かないただの頭数でいいのか?!

と思いつつも、平清盛に言い寄られて自害した妻を思うと、俊寛はどうしても千鳥を成経と添わせたかったのだろうと思えて、切なくなります(T-T)


「摂州合邦辻」も時代物で、俊徳丸伝説を元に色んな要素を盛り込んだ作品で、他にも謡曲「弱法師」、説教節「しんとく丸」などの作品が生まれているそうです。

城主高安通俊の後妻 玉手御前は、前妻の子で跡継ぎの俊徳丸に恋をし、告白するも拒否されて、毒を飲ませる。

癩病を患った俊徳丸は、側室の子である兄 次郎丸に家督を譲ると書き置きして出奔、玉手御前も俊徳丸の後を追う。

で、俊徳丸と許嫁 浅香姫が匿われていた、玉手御前の実家で遂に再会し、再び結婚を迫り、見兼ねた父親が玉手御前を刺す。

その時に、実は次郎丸が家督を狙って俊徳丸の命を狙っているので、俊徳丸に毒を飲ませて身を引かせた。

しかし、毒により患った癩病なので、玉手御前の肝臓の生き血を飲めば完治すると、自ら肝臓に刀を刺して生き血を俊徳丸に与え、完治した俊徳丸を見て安らかに息を引き取る

でも、ちょっと待て。

後妻として、本妻の子 俊徳丸も側室の子 次郎丸も、いずれも助けたい気持ちは分からなくもないですが、

命を狙われていたと知った俊徳丸が反撃したり、俊徳丸の病が完治したと知った次郎丸が再び命を狙ったりする可能性があるように思いますが、それは考えないのか?!

次郎丸が反省しても、担ぎ上げようとする輩が出てくる可能性がある以上、御家第一に考えれば、可哀想でも次郎丸は排除すべきではないのか?

女の浅知恵だなぁと、玉手御前に呆れる(。-_-。)

あと、虫の息の玉手御前が父親に肝臓を刺して血を抜いてくれと頼んだ時に「さっきは憎んでたから刺せたけど、今は愛おしいからもう刺せない」と断り、

側にいた若い家来に頼んだら、その家来も「無理無理」と断り、結局、玉手御前が自ら肝臓に刀を突き立てて血を抜くハメになるという(。-_-。)

玉手御前の菩提を弔うために建立した月江寺が大阪市天王寺区にあり、また、合邦辻閻魔堂や玉手の水(逢坂の水)などが四天王寺西門通りにあるようでです。

ついでに、竹本義太夫のお墓も天王寺にあったと思います。

あと、八尾市の辺りに高安城跡があり、高安から四天王寺まで俊徳丸が歩いたとされる道が俊徳道で、近鉄大阪線に高安駅も俊徳道駅もあるんですよー。

この聖地巡礼の予感に、ちょっとテンション上がります(^-^)


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