野外で採取したセスジスズメ中齢幼虫が、実は寄生バチに寄生されていて死んでしまったので、「卵から育てよう」と娘に言い聞かせスズメガの卵を探し求めて彷徨い歩く日々。
ヤブガラシは公園、住宅地の植栽、玉川上水沿いなどあらゆる場所に繁茂していて見つけるのに全く苦労しないのだが、こんなにたくさんのヤブガラシを見かけるのにスズメガの卵となると、とんと見つからない。
なかなか無いもんだな〜と半ば諦めながら公園の植栽を眺めていたところ、目に飛び込んで来たのはヤブガラシの葉裏の縁に、夕陽を浴びて黄緑色に輝く1mm大の球体!これぞ!これぞ我々が探し求めていたお宝じゃ〜!
娘と一緒に歓喜して卵を持ち帰った。
でもこの卵、幼虫が出てくるまでは一体何の卵か、実は分からない。ブドウスズメの卵はもうちょっと緑色が濃くて大きかったような気がする。1.5mmくらいだったような。
↑2024.06.16 何かの卵。
踊る心で幼虫が生まれるのを待つ母娘。
数日後…
これ、顔が見えてる!こっち見てるYo!
育ってる育ってる❤️
↑2024.06.18 卵の中に幼虫の顔が透けて見える
で、出てきたのがこちら。
↑2024.06.19 孵化直後の1齢幼虫
スズメガの1齢幼虫ってどれも似てて同定できない😅
直径1mm足らずの卵から5mmの幼虫が出て来ました。
あなた、どうやってそのちっちゃな球体の中に収まっていたの?
さ〜この子は一体何になるのか⁉️
成長するまで何になるのか分からないところが、子供の頃流行った「たまごっち」を彷彿とさせる。リアルたまごっち。
そして幼虫は順調に成長し…
↑1齢幼虫後期。体はパンパン。
1-2齢幼虫の間は、薄い葉であれば横からガジガジとかじって食べるようだが、厚みのある葉ではヤマトシジミの若齢幼虫がするように葉裏の組織を削り取って食べるので、食痕は「葉の欠け」ではなく「透かし」のような食痕になる。
透かしの部分に出来たこの水の玉が、日に日に増える、目に見えない何者かの卵かと思い恐れ慄いていたが、気付いてみればなんてことはない、途切れた葉脈から滲み出た水が球になっているだけだった。
↑脱皮したので3齢幼虫。
↑3齢幼虫。背中に2対の眼状紋があるね?
背中の眼状紋を見るに、これはどうやらコスズメだ!
↑3齢幼虫後期。3齢初期に比べて体がめちゃくちゃ太くなっている。
↑脱皮の瞬間は見てないけど、体に対する尻尾の長さの比率が明らかに増えて尻尾が長くなっているので、多分脱皮したんだと思う。眼状紋もよりくっきり鮮やかになっていると思われ、たぶん4齢幼虫。
↑脱皮したので5齢幼虫。
5齢幼虫、脱皮直後は透明感のある美しい緑色だったのに、時間が経つにつれどんどん色が濃くなり、最終的に茶色になった。まるで別人だわ。複雑な模様がArtistic!
眼状紋は緑色の眼。cool ‼️
↑脱皮から4時間経過した5齢幼虫。
↑脱皮から4時間経過した5齢幼虫。
モリモリ食べて、ヤブガラシの花やつぼみもモリモリ食べて…
↑花のつぼみをムッシャムッシャと食べる5齢幼虫は、朝見た時の1.3倍くらいに伸びていて7cmを優に超える。
そしてついに…
蛹化。
↑最終的にはもっと赤茶色になって、落ち葉の中に潜っていった。
↑落ち葉を糸でゆるふわに、疎に綴って繭を編んであるようだ。
卵から育てて、蛹になった時はもう「育て切った!」感で胸が一杯になる(羽化してこそ育て切ったと言えるのだけど…)。
今度こそ、成虫になったこの子の姿を見届けようね、娘ちゃん♪