ベニヘリテントウアカイロテントウ幼虫の飼育を始めてから数日。

ベニヘリテントウアカイロテントウ幼虫の餌となるオオワラジカイガラムシを飼育ケースに入れても、謎のハンガーストライキを始めて全く食べなくなってしまった。

ベニヘリテントウアカイロテントウ幼虫が食べないまま死んでいくオオワラジカイガラムシを「かわいそう」と言って4歳娘が私を責めるので、飼育観察を諦めてどちらも元居た場所に戻しに行った。

 

 

マテバシイの木の下に行って木の枝に虫たちをくっつけていて気付いたが、先週あんなにたくさん居たオオワラジカイガラムシが忽然と居なくなっている。水滴がポツポツ降って来るほど居たカイガラムシ達は一体いずこへ…?

マテバシイの木を見える範囲で探し回ったところ、オオワラジカイガラムシはほとんど居ないが、代わりにベニヘリテントウアカイロテントウの幼虫がじっとしているのがあちこちの葉裏に見つかった。

マテバシイの葉裏にいたベニヘリテントウ前蛹

 

どうやらこれはベニヘリテントウアカイロテントウの前蛹のようである。

こちらは蛹のようだ。

(2024/05/14追記:どうやらこれは蛹化に失敗した個体のようで、正常に蛹になった個体の写真は次の記事に掲載します)

マテバシイの葉裏にいたアカイロテントウ蛹マテバシイの葉裏にいたアカイロテントウ蛹マテバシイの葉裏にいたアカイロテントウ蛹

 

 

お分かりだろうか。1つの枝に数匹のベニヘリテントウアカイロテントウ前蛹があり、木全体では相当な数が居るのではないかと推察される。

マテバシイの葉裏にいた複数のベニヘリテントウ前蛹

 

 

どうやら、ベニヘリテントウアカイロテントウ幼虫たちによってオオワラジカイガラムシは全滅させられたようだ。

オオワラジカイガラムシは樹木の樹液を大量に吸うので、場合によってはその木を枯死させてしまうこともある樹木害虫である。体表に白い綿状のワックスを分泌しているため薬剤を浸透させることが困難で、駆除には一つ一つ丹念に捕殺することが最も簡単かつ効果的という。

 

↓↓↓エンビュージャパン-Envu ホームページより

https://www.jp.envu.com/pest-management/what-to-control/giant-straw-sandals-scale-insects

 

 

オオワラジカイガラムシを見つけた時は、「このマテバシイ枯れちゃったりするのかな…」と少し心配していたが、ベニヘリテントウアカイロテントウ幼虫が居てくれたお陰で人間の手を煩わせることなくあの大量のオオワラジカイガラムシを駆逐することが出来たということのようだ。

テントウムシが益虫と言われる所以ですね。驚異的、、、

 

 

アカホシテントウというカッコいいテントウムシが居るのだが、アカホシテントウはウメやモモなどバラ科の樹木に寄生する「タマカタカイガラムシ」を捕食するので、タマカタカイガラムシが大量発生している木でカイガラムシを食べ尽くしてくれる益虫となる。

これは昨年5月に某公園で見つけた、アカホシテントウの集団発生。見た目がグロテスクで害虫のように見えるが、れっきとした益虫である。トゲトゲしたのが蛹の殻。

梅の木で見つけたアカホシテントウ集団羽化

 

↓羽化直後

羽化直後のアカホシテントウ成虫

 

↓羽化から時間が経ったアカホシテントウ

羽化後、色づいてきたアカホシテントウ成虫

丸いツブツブがタマカタカイガラムシのメスで、穴が空いてるのはアカホシテントウ幼虫に捕食された痕。

 

そして、今年この木にテントウムシが大量発生したからといって、翌年も同じ木にテントウムシが発生するわけではないようだ。カイガラムシたちが同じ木に発生するとは限らないからだ。

昨年、某公園のクワの木にハラグロオオテントウが大量発生したのを見つけたのだが、今年見に行ってみたがハラグロオオテントウ幼虫は全く見つけられなかった。ハラグロオオテントウの餌となる「クワノキジラミ」が今年はこの木に付いていないからなのだろう。

 

 

今年ベニヘリテントウアカイロテントウが大量発生した近所の公園のマテバシイも、来年同じようにベニヘリテントウアカイロテントウが発生するとは限らない。

今年のうちに、ベニヘリテントウアカイロテントウの写真をしっかり撮っておこう。

 

ちなみに、家で飼育を試みたベニヘリテントウアカイロテントウ幼虫たちは、木に戻すと自分で歩いてよじ登って行ったので、前蛹になってじっとしていたわけではなかったようだ。

飼育下ではなぜか餌を食べてくれない生き物って、居ますよね。

この世は謎だらけだ。