2024年2月15日 春一番が吹いた日。
ベランダに干してあった洗濯物が飛ばされないように取り込んだ時、ベランダに出たついでに鉢植えたちに給水。
すると、この冬の間全くその存在に気づかなかった、ヤマトシジミの越冬幼虫たちがカタバミの上にたくさん居ることに気付いた。
大きさはいろいろで、越冬幼虫の齢数は様々のようだ。
この日は気温が20度まで上がり暖かかったので、隠れていた場所から出てきたのだろう。
どうやら越冬幼虫たちは、冬でも暖かい日には活動してカタバミの葉を食べるようだ。
こちらの幼虫にはアリがまとわりついている。ヤマトシジミがお尻から出す甘い蜜(甘露)を求めてやって来たと思われる。2月中旬にもアリって活動するんだなぁ。
ヤマトシジミの幼虫を見ると、我が家を選んで来てくれた事に、なんだか嬉しい気持ちになる。
ところで、ヤマトシジミが我が家のベランダの鉢植えに初めて訪れたのは一昨年。鉢植えに勝手に生えてきたオッタチカタバミにいつの間にか付いていた。
若齢幼虫はとてつもなく小さくてカタバミの葉をかじることが出来ないので、葉の裏面をこそげ取るように食べる。なので、透かしを入れたような食痕になる。
↑2023年9月21日撮影
カタバミの葉にこの食痕があれば、ヤマトシジミの幼虫がどこかしらに居るはず、と分かるわけだ。
そして齢数が進んである程度体が大きくなると、葉をモリモリとかじって食べるようになる。
我が家のベランダにはひさしがほとんど無く、夏場はサンサンと日が照りつけるので高温と乾燥で大変な劣悪環境になる。遮光網を張ってはいるものの、強風で煽られてズレてしまったりすると鉢植えはたちまち灼熱地獄になってしまう。
昨夏に一度、カタバミが全滅に近い状態になったことがあった。ヤマトシジミの幼虫たちはカタバミを求めてさまよい歩き、灼熱のベランダで行き倒れになっている子も居た。シワシワに縮んで行き倒れている終齢幼虫をレスキューしたが、全然動かない。この時保護した終齢幼虫は4匹。
劣悪環境下に置いて死なせてしまったという罪責感に打ちひしがれていたところ、娘がこのヤマトシジミの幼虫たちのために幼稚園でカタバミを採って持って帰ってきてくれた。心優しい4歳児
死んでるだろうなと思いつつ一縷の望みをかけてシワシワに縮んだ幼虫をカタバミの葉の上に置いといたら、奇跡は起こった❗️
↑2023年10月4日撮影
ヤマトシジミ幼虫は生きていて、葉っぱを食べて水分が補給された後、元通りのみずみずしい体になっていた。この時娘が採ってきたカタバミを食べて終齢幼虫たちは全員蛹化し、無事に羽化してお空へ飛んでった。
娘のgood jobに感謝。
↑2023年10月4日撮影 瑞々しく蘇ったヤマトシジミ幼虫。顔はカメみたいに引っ込めることができます。
シワシワになって縮んで瀕死の状態になってしまった時の幼虫の写真は撮り損ねました…
蛹化するときはたいてい地上スレスレのところ。
蛹の大きさは約7mm程度で、とても小さい。
↑2022年4月14日撮影 ヤマトシジミ蛹
↑2022年4月26日 蛹化後12日
↑2022年4月28日 蛹化後14日 羽の色が透けて見える。羽化はもうすぐ。
↑2022年4月29日 蛹化後15日 羽の色が濃くなってきた。メタリックブルーが美しい。
↑2022年4月29日 蛹化後15日 背中側から撮影。
本体と蛹の殻の間に空気の層が出来て、体全体に広がっていく。
↑2022年4月29日 蛹化後15日 無事に羽化。突然頭から胸にかけての辺りがパカッと開いて、蛹から出てくる。羽がまだシワシワ。
↑2022年4月29日 羽化後、羽が伸びた後。体はモフモフで可愛い。
鉢植えにモサモサと生えてくるオッタチカタバミははっきり言って邪魔なんだけど、ヤマトシジミが毎年育っていくので引っこ抜くわけにいかず、生やし放題。今年も観察が楽しみだ。
都市公園のゆる〜いネイチャーガイド
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