3匹が蛹になり、やっとアブラムシ集めの重荷から解放された〜 と喜んだ私。
永遠に解放されたと一瞬思い込んでしまったが、この子達はわずか1週間の蛹の期間を経て、このあと成虫になってしまう。
外来種なのでベランダ放牧が出来ないので、成虫になったらまたアブラムシを集めて一生飼育ケースの中で飼育し続けなければならない。。。
1週間はゆっくり休めると思っていた私。でも、神様は私にそんな猶予を与えて下さらなかった。
蛹化から5日目。1匹目のハイイロテントウが無事に羽化しました!
↑羽化したての最初は黄色いらしいがこれはもうある程度時間が経った後のよう。羽化見逃した。
↑クリクリお目目が可愛い。複眼の1つ1つまで映っている。オリンパスTG-6すごい。
↑Ash Grey の coolな いでたち。
嬉しい。とっても嬉しいんだけど、またアブラムシを集める日々に戻るのにはゲンナリだ。
翌日には2匹目が、翌々日には3匹目が続々と羽化。
簡単に入手出来る代用食があればいいなと思いテントウムシの飼育方法についての学術的な文献を調べたところ、アブラムシ等の生体が入手出来ない時は「雄蜂児粉末」で代用出来るとの記載があった。(『テントウムシの調べ方』日本環境動物昆虫学会編 桜谷保之・初宿成彦監修/文教出版/2009年)
「雄蜂児粉末」とはミツバチの雄の幼虫を凍結乾燥して粉末にしたもので健康食品としても販売されているが、これがテントウムシ飼育に栄養面で全く過不足なく適用出来るらしい。
あるサイトでは50g 8200円で販売していた。高価だが、アメニモマケズ カゼニモマケズ アブラムシヲ求メテ彷徨イ歩ク労力や人目ヲ忍ブ心労を考えると、悪く無い気がしてくる…
雄蜂児粉末ならハイイロテントウの累代飼育も可能なんだそうで、なんならハイイロテントウだけでなくカメノコテントウやハラグロオオテントウなどハムシ類の幼虫を食餌とする大型テントウも飼育可能なんだと。日本最大のテントウムシ、オオテントウも飼育できるかもね!?
これは買っといてもいいかも…
ところでハイイロテントウは本邦では人為的移入種のギンネムが分布する南西諸島にその定着が確認されている。ギンネムにつくギンネムキジラミをよく捕食するからだ。
これまでの本邦の報告によるとアブラムシ食ではハイイロテントウの生存率は低いとされているが、今回の飼育でハイイロテントウが日本にごく普通に分布するアブラムシを食べて生育出来ることが判明した。
したがって、ハイイロテントウがギンネムの分布域に定着しているのはギンネムキジラミしか食べられないからではなく、アブラムシも食べられるんだけどアブラムシを食べていてはハイイロテントウよりもっと獰猛(?)なナナホシテントウやダンダラテントウとの餌を巡る競合に負けてしまうため、ギンネムキジラミを専属的に食べることで生き残る道を切り開いたということなんだと思う。
恐らくこれは、アブラムシがたくさん居て他の種類の肉食性テントウムシの密度が低いような生態学的空きニッチがあれば、たとえギンネムとギンネムキジラミが分布していない地域であっても、ハイイロテントウはすんなりと定着する可能性を秘めていることを示唆している。
そんなことを考えながら、ハイイロテントウを愛でる…
カッコいいテントウムシなんだけど、国内の新たな地域への定着が拡大しないことを祈る。
そうして、雄蜂児粉末をポチる。テントウムシの飼育もなかなか面白いのぅ![]()
おまけ
テントウムシの幼虫のお尻には体内に収納可能な吸盤のようなものが付いていて、徘徊時にはこの吸盤を補助的に使ってひっついているようだ。
脚はというと、ただの棒きれみたいになっていて、「これじゃ掴まれないよねぇ、、、」と思ってしまう。顕微鏡で拡大すると先端に鍵爪とかが付いているのだろうか。TG-6ではよく見えない。
生き物を飼育すると色んな知見が出てきますね。
エサ集めはツラいけど、大人のゆる〜く楽しい自由研究となりました![]()
次はアブラムシで累代飼育が可能かどうかを出来るところまでやってみようと思います。
結果はいつか報告します。
ここまで読んで下さった読者の皆様、ありがとうございます☆



