うちの3歳娘はテントウムシが大好きだ。娘がテントウムシを捕まえるので、私も一緒に探してあげる。娘と一緒にテントウムシを見ていて気付いたのだが、テントウムシって意外と種類が多い。大人になるまでナナホシテントウしか知らなかった私だが、去年娘と一緒に近所で捕まえたテントウムシったら、ナナホシテントウ、ナミテントウ、キイロテントウ、ウスキホシテントウ、ムツボシテントウ、シロホシテントウ、カメノコテントウ、ヒメカメノコテントウ、クモガタテントウ、モンクチビルテントウ、トホシテントウ、etc… 身近なところに本当にたくさんの種類のテントウムシが居る。

そしてテントウムシってかっこかわいい。

 

例えばこのムツボシテントウ。ソメイヨシノの樹皮にくっついていた2mmくらいのちっちゃなテントウムシ。サッカーボールみたいな模様でメタリックな赤と黒の色彩がso cool。

ソメイヨシノの樹皮上に居たムツボシテントウ

白い輪っか状に反射しているのはオリンパスTG-6のリングライトの光です

 

 

そしてこちらの、体長1cm以上あろうかというバカでかいテントウムシ、カメノコテントウ。つやピカの、やはり赤と黒の色彩がカッコいい。

カメノコテントウ

 

文一総合出版の「テントウムシハンドブック」(阪本優介著/2018年)を見ながら種の同定をするのだが、そのページをパラパラとめくっている時に、私のハートに突き刺さるcoolなビジュアルのテントウムシが目に留まった。

「ハイイロテントウ」 

 


こんなの居るんだ⁉︎絵本の世界にしか居ないと思っていた。

画像出典:「からたちばやしのてんとうむし」かこさとし作・絵/偕成社/1974年 

喪服が無いので墨や絵の具をからだに塗って喪服のように仕上げ、威張りんぼうのニジュウヤホシテントウの子供の葬式に参列するテントウムシ達。



ハイイロテントウは沖縄県で確認されている外来種で、同じく外来種(人為的移入)であるギンネムにつく、これまた外来種のギンネムキジラミを食べると書いてある。

 

私は沖縄県出身で、幼少時に最も身近で親しんだ草木といったらギンネムだった。ちょっとした空き地などどこにでも生えていて、花はボンボンみたいで可愛くて実(豆)はおままごとで大活躍、葉っぱは羽状複葉になっていて小葉をブチブチブチー!っと一気にこそげ取る感触が楽しく、子供の遊びに大活躍だった。大人になってギンネムが外来種だと知った時の衝撃といったら、この上ないですよ。

 

 

 

そのギンネムに、この格好いいテントウムシが付いているだとゥ!?あんなにギンネムで遊んだのに、ハイイロテントウを見た記憶が一つも無い。そう、私は子供のころ昆虫には大して興味が無かったのです。

こんなの本当に居るのかい?と信じられず、沖縄に住んでいる私の親兄弟に、「ギンネムの木にハイイロテントウという格好いいテントウムシが居るらしいから、もし見かけたら写真を撮って送ってほしい」とお願いしておいた。その数週間後、母が「車のフロントガラスにくっついてたよ~」と言って写真を撮って送ってくれた。本当に居たんだ!

 

ハイイロテントウ

 

そして母は親切にも、写真だけでなくハイイロテントウ本体も送ってくれたのだ。もちろん生きた状態で。

ギンネムキジラミは都内ではどうやっても入手できそうにない。これは困った。

テントウムシの飼育本を読んでみると、鶏卵の黄身にハチミツを混ぜて練ったものが代用食になると書いてある。ほかに方法が無いのでそれで飼育を試みることになった。これ、昨年12月の話。南方系のテントウムシのようなので、東京の冬の寒さに耐えられるか心配だ。

 

我が家の中でも暖房をつけない部屋で温度が比較的一定な場所(13~16℃くらいの推移だったと思われる)に置いてハイイロテントウの越冬を見守ること4か月。週1程度のペースで卵の黄身とハチミツを混ぜた代用食を新鮮なものと交換して見守っていたところ、時々代用食にくっついているところが見られたので時々食べているのだろうな、という感じだった。そしてついに冬が終わり、ハイイロテントウは無事に東京の冬を越した。

暖かくなって屋外の昆虫たちも動き始めた早春に、お散歩中に見つけたアブラムシの塊を持ち帰ってハイイロテントウにあげてみた。ハイイロテントウは、ムッシャムッシャとアブラムシをむさぼり食べた。

 

アブラムシをむさぼり食うハイイロテントウ

 

 

可愛い顔して動きはかなり獰猛である。そしてどうやらエサはアブラムシでも代用できる!こうしてハイイロテントウの飼育生活が始まった。

 

~つづく~