1118(金曜日)、東久留米で開催された自然観察会に飛び入りスタッフ(ほぼオブザーバー)として参加してきました。

 

東久留米市は武蔵野台地の中心に位置し、湧水の街として知られています。

今回は市役所を出発して街中をぶらりとお散歩した後、湧水から成る清流・落合川を眺めながら沿道を上流へ向かって歩き、南沢緑地の湧水地点を終点とするコースを辿りました。私はちょっと遅れての参加となってしまったので落合川沿道からスタート。

 

 

~落合川沿道散歩~

落合川沿道の多様な植栽をゆっくりじっくり観察。

 

エノキの幼木でアカボシゴマダラの幼虫を発見飛び出すハート可愛いんだけど外来種なのです。。。

 

 

木瓜(ボケ)の蕾にアブラムシがたくさん付いています。秋に開花しているということは、寒木瓜でしょうか。

 

春にあんなに見かけたアブラムシ、夏以降見かけなくなって一体どこへ行ってしまったのかと思っていたら、こういうところに居たのね。娘と一緒につかまえて飼育しているテントウムシの餌が見つからなくて困っているところだったので、居場所が分かったのは収穫でしたチョキ

そしてアブラムシが分泌する甘露を求めてアリさんが来ていました。生き物同士の繋がりが見えて楽しいですね。

 

 

ムクノキの実をみんなで味見。この実は甘くて鳥がよく食べます。

         写真は逆行&ピンボケ

 

ムクノキの葉には細かい剛毛が生えていてヤスリのようになっているので、昔は漆器の研磨剤として利用されていたそうな。

爪を磨いてみたら、削れすぎて爪の光沢が無くなってザラザラになってしまいました。けっこう荒砥ですね。

 

 

お腹の大きなジョロウグモのメスと、メスの巣にちゃっかり居候しているオスがいました。巣の糸に音叉を当てると、振動を感知したクモが獲物が掛かったと思って寄ってくるというので、実践してみます。

今回は音叉を当てる力加減を誤ったようで、クモさんは逃げてしまいました。

 

ジョロウグモさんは春に卵から孵化して秋に成熟し、産卵したあと冬には死んでしまうという意外に短い生活史を送ります。短い命がもうすぐ終わろうとしている。。。ジョロウグモさんを見かけたら、気持ち悪がらず温かい目で見守って欲しいと、私は思います。

 

 

 

湧水から成る清流、落合川の南側の護岸壁に帰化植物のヒメツルソバが群生していました。

 

日陰になっているところなので、ヒメツルソバには日陰を好む性質があるのかな?と思って調べてみたところ、「半日陰でも育つが日向の方を好む」という記載が多かったです。ここには日当たり以外にヒメツルソバにとって好ましい条件があるのでしょうね。気になります。

 

 

~落合川沿道から南沢水辺公園へ~

 

ムクロジの木に実がたくさん付いています。私はあの実のコロコロしたところと果皮の透明感が大好きで、見かけたら拾わずにはいられないんですけどなかなか落ちて来ないんですよねぇ、あの実。

ムクロジの果皮にはサポニンという界面活性剤が含まれていて、かつては石鹸として使われていたんだとか。

これも実践してみます。

 

ボトルに水とムクロジの果皮を入れてガシャガシャ振ると泡立ちました。

 

 

こちらはキリの木。上の方に目立つつぶつぶは、実かと思いきやつぼみでした。春に花が咲く植物は、秋には既につぼみをつけているのです。

 

 

コブシの冬芽。毛皮をまとったようなゴージャスな出で立ち。コブシも春真っ先に白い花を咲かせますね。

 

 

クヌギの葉っぱが葉脈だけ残されて見事なスケルトンリーフになっています。ツマキシャチホコの幼虫か誰かが食べた痕でしょうか。

 

 

クヌギの葉っぱに丸い粒が。

 

こんなところに実?と思いますが、これは実ではなく「虫こぶ」といって、中に虫が入ったカプセルです。何が入ってるのかな?ということで切ってみます。Tさん、ど真ん中で切りました。中から出てきたのは、黒い小さな昆虫(写真撮り損ねました)。後で調べたところ、「クヌギハケタマフシ(橡葉毛玉節)」という虫こぶで、中に居たのはクヌギハケタマバチの成虫でした。このクヌギハケタマバチは単性世代と両性世代を繰り返し、各世代が作る虫こぶの形状や成虫の形態が異なることから、これまで9回も新種記載されていたことが2021年に国立科学博物館と九州大学の共同研究で明らかにされたそうです。その特殊な生態について興味を持たれた方は、論文を読んでみてください(私はまだ読んでませんが…)

 

発表雑誌:Annals of the Entomological Society of America

論文タイトル:The heterogonic life cycles of oak gall wasps need to be closed: a lesson from two species of Dryophanta (Hymenoptera: Cynipidae: Cynipini)

著者: Tatsuya IdeYoshihisa Abe

■202146日 オンライン公開

 

 

 

 

そして最後に南沢緑地へ行き、湧水スポットを観察して終了しました。

 

観察会を行なった2時間半の間に、この他にもたくさんの生き物や、生き物同士の繋がりを見ることが出来ました。

毎回新しい発見があって面白いですにっこり