父が亡くなった記事はこちら
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遺伝とは素晴らしいもので、時には恐ろしい(笑)
私は亡くなった父から、皮膚の弱さとぶっ飛んだ性格を譲り受けた(笑)
何かふざけないと気が済まない(笑)
昔、よく父をお通夜やお葬式へ送迎していた。
身体障害者2級の半身麻痺の父を…。
その日も父の元同僚の医師のお葬式だった。
杖をついて歩けたので、私は葬儀式場のとなりにあるコンビニで待つことにした。
とりあえず入り口近くの雑誌コーナーで興味もない雑誌を読むふりをしていた。
昼下がりの店内の客は私一人。
レジには店長らしき男性が一人。
私はふと考えた。
そう言えば、障害者になった父と二人で出かけることも増えてきたが、常に自分から父を出迎えたりするばかりで、その逆はない。
じゃあ、葬儀式場から出てきた父は、コンビニにいる私をどんな感じで呼びに来るのだろうか?
父が田舎医者をしていた町にはコンビニがない(笑)
ひょっとしてコンビニに入ることさえも初めてかも?
なんかワクワクしてきた(笑)
予想では、コンビニには入らず杖でも振りながら早く来いとジェスチャーをする父を想像した。
その時がきた!
父がゆっくりと杖をつきながら歩いてくるにつれて、私は素知らぬ顔で雑誌を立ち読みしている振りを続けていた。
すると…………。
なんと父は真っ直ぐにコンビニに入ってきた❕
そして…。
「◯子、何を万引きしたん?」
「ちょっとお父さん!!」
と足早に父に近付きコンビニから出るようにうながした私(笑)
と言っても障害者なのでスピードはゆっくりだけど…。
やられた!
まさかその手でこられるとは!
コンビニ店長はポカンとした顔で私たちを見送っていた。
娘である私の希望としては、
「◯子、終わったから。」
と、普通に呼びにくるパターン。
やはり父は普通ではなかった(笑)
その葬儀式場で父を見送ったが、悲しみの感情の中であの時のエピソードを思い出したのだった