我が子がお空に還ってから
もう6年半の、春。
子供達はランドセルを
真剣な顔で、一生懸命選び
その様子を親御さんは
笑顔でモニターを見てる。
その顔はどれも幸せそうで、満足そうだった。
だけどこれは
『お父さんとお母さんが
喜びそうなランドセルを選んでね。』
と伝えてあった事を知る。
『パパは、これがカッコいいって言うと思う』
『ママは、この色がいつもかわいいって言ってる』
だから、選んだ。
子供達は思ったよりもずっと
お父さんとお母さんが好きそうなものを
よく理解していた。
じゃあ、次は
『自分が本当に使いたいランドセルはどれかな?』
との問いに
目をキラキラさせて本当に楽しそうに
自分の欲しい色を教えてくれる子供達。
1回目に選んだのと違う色の子が多く
男の子だけど
ピンクのキラキラのランドセルがいい
とか
ハッとさせられるものもあって
親の顔を伺う事なく
本当に自分が好きだと思う色を選んで欲しいな
というランドセルの製作会社の想いが
なんだか心に沁みた。
私は、私の価値観を
子供達に押し付けてないかな
選択肢は、たくさんあっていいんだな
とも思ったけど
素直に『いいなぁ』とも思った。
今ここにいたら
春から1年生に上がるはずの次男とは
もう話すこともできないし
何色が好きだったかなんて
ずっとわからないんよね…。
我が子の好きなもの
好きな色、食べ物…
話して、見て、聞いて、
そのコの『大好き』をいっぱい知る事ができて
たくさんの喜ぶ顔が見れるのは
親の特権だ。
以前、他の天使ママさんが
ランドセルを作ってあげてるのを見て
『私も編んで作ってあげよ♡』
と思っていた。
黒い、ランドセル。
でも本当は、
どんな色が好きだったのかな。
何色のランドセルが欲しかったのかな。
わからなくて、涙が止まらなくなった夜。
あれから6年半…
こんな日も、あります。
私のスマホにたった1枚だけ
NICUで頑張って生きている時の
最初で、最後の、次男の写真。
この日は途中までしかムービーにできなくて
ただただ、我が子の好きな色がわからなくて
泣いた夜。
でも
泣くって、すごく大事。
今、この瞬間辛くなったら
寂しくなったら
いつでも、泣いて、大丈夫。
たくさん泣いたら、次の日の朝は
『よし。今のこのコに合う色を
お兄ちゃんと妹と話して決めてみよう』
そんな風に思えるんです。
これが、今の私が
立ち直るためのプロセス。
このコが私達夫婦の子供として
産まれてきてくれたことは
とっても幸せ。
産んでよかったって、やっぱり思う。
悲しかったし辛かったけど
家族みんなで笑える日々が幸せ。
レインボーベビーが産まれても
今、毎日笑えていても
忘れる事なんて絶対ないから
今、辛い天使ママが
ほんの少しでも
気持ちが軽くなりますように。