昨年のいろいろ 2 | 前途洋々

前途洋々

H13.7に乳ガンになり、ともかく悲観的にならないで、
少しずつ苦難を乗り越え、支えてくれる家族に感謝をしながら、これからも元気で過ごしたいのと、いずれ私の体験談を聞いたりすることで、今現在病気で苦しんでいる方の
少しでもお役にたちたいと思ってます。

とりあえず、警察に身元確認にパパと二人で走った。弟さんが失踪騒ぎをよく起こしていたので、警察には何度か行ったが、今回は事情が違う。2階の個室に通されて、二人の刑事さんが入って来た。話を聞いて、たぶん弟さんだとは思うけど、すぐには会えず、溺死している写真を見てほしいと言われた。私は怖くて見る勇気がなく、部屋の外に出てパパだけが写真を確認した。間違えなかった。それから、間もなくしてパパだけが、霊安室で弟さんと対面した。私は 震えが止まらなかった。その日は弟さんは警察から帰してもらえず、その夜パパの実家に行って、弟さんの部屋の捜索をして事件性がないか確認することになった。義理母は涙ひとつ流さず、出て行くまでは私と普通に会話していたと自分のせいではないこと刑事さんに訴えた。間もなく、市内に住む義理の姉が来て、この姉は私の事を大嫌いなのだが(義理母の面倒を見ないから)弟さんが家を出る前、電話で弟さんに病院で知りあった女の子との交際を反対して縁を切ると言ったそうで、その時は私のせいだと涙を流していたけど、この事は絶対に嫁ぎ先には言えない。旦那にも私が死ぬまで墓場まで持って行くと私達に言った。パパは それは違うだろと言ったけど、聞く耳を義理の姉は持たなかった。そして、仕事で1週間ほどいないから、ともかく一刻も早く荼毘にふせての一点張りで、とうとう弟さんは家に帰ることもなく、警察から直接火葬場に行く事になった。パパと私と義理母の たった3人だけの見送りだった。燃やす前に最後の棺桶のふたがあき、お別れをしたとき、パパの涙を結婚して初めて見た。背中をさすり私も泣いた。義理母は「案外きれいな顔してる」と一言だけ言った。火葬している間、義理母は自分の話とか次々話だし、時には笑いながら、私は頭がおかしくなったんじゃないかと思った。そうでなければ、自分の子供が自殺して平然としているのは考えられない。あまりにも弟さんが可哀想で、母親や精神疾患の弟の自殺したことを恥とする姉が許せなかった。