よく、助産院の名前の由来を聞かれます。初めは住所が宮島だから「宮島助産院」にしようかと考えました。でも、東海地震が来て津波で流されたら、別の場所に移転するかもしれない。それなら富士市だから「富士助産院?」。でも、富士市の代表みたいな名前をつけるのはさすがにおこがましい気がしました。

シンプルに自分の苗字をとって「堀田助産院?」いやぁ~でも、もし万が一、苗字が変わったりしたら(別に心配な状態ではなかったのですが)。じゃぁ、「くみ助産院?」でも、そういう時に自分の名前を屋号に付ける人って、潜在的に「自己中」が隠れてるってどこかで読んだことがある。う~ん。どうしよう。

そんな時、ふと目に留まったのが、机の上に広げてあった幼稚園入園グッズでした。双子の娘たちの名前がちょうど並んでいて、楯に読んだら「菜桜」。いいじゃん!!そう直感で思いました。「菜桜助産所(なお)」助産所は、長女の名前の「菜」と次女の名前の「桜」から一文字ずつ取って付けた名前なんです。

私にとって一番大切な存在である娘たちを愛おしく思う気持ちと同じように、助産所に来てくださる方たちを大切にしたいという気持ちをその名前に込めました。(その当時です。後にもうひとり大切な娘が増えましたが、そのお話はまたの機会に)「ママのママになる」という助産所の理念や、開業した4月の春のイメージにもぴったりでとても気に入っています。ちなみに、助産院ではなく助産所としたのは、医療法に定義されている表現に合わせたかったからです。

私の本名は「堀田久美」ですが、「菜桜助産所」と名付けて以来、皆さんから「なおさん」と呼ばれることが多くなりました。最初は少し照れくさかったこの呼ばれ方も最近では「なおさん達」と変化してきています。頼もしいスタッフ達に囲まれ、地域の方たちの応援を受けてお仕事できる環境に感謝です。