こんにちは、Kumiです。

私は2001年に静岡県富士市で助産所を開設しました。開業助産師としての仕事は、地域の皆さんと共に生活しながら、出産や育児だけでなく、女性の健康問題や悩みに寄り添うことができる、非常にやりがいのあるものです。

多くのママと赤ちゃんに出会い、その成長を見守ることができたのが何よりの喜びです。育児や健康について学び、前向きな気持ちになってくれる女性たちを見ると、本当に嬉しくなります。

しかし、時代の変化に伴い、誠実に努力するだけでは成り立たない状況が続きました。古くからの助産院と同じやり方では助産院の経営が難しくなり、自分の給料はもとより、経費を支払うことさえも厳しい時期がありました。そのため、助産院を他の助産師に任せて大学の教員として働いたり、当直のアルバイトをしてスタッフの給料に充てたり、子育てグッズの販売や講座の開催など、様々な工夫と努力を重ねてきました。生活のためだけに働くのならば、就職したほうが楽だったと思います。それでもこの仕事に情熱を持ち続け、やってこれたのは、ママたちの笑顔と感謝の言葉があったからです。

ビジネスの視点を持って再スタートして7年、地域の女性を中心とした様々な活動を通じて、多くの女性とその家族を支えたいという思いで取り組んできました。おかげさまで現在は約30名のスタッフと共に、助産院だけでなく、母子を対象とした訪問看護ステーションを3か所、一時保育事業所も運営しています。成し遂げたかったことに取り組めるようになり、本当に幸せな仕事に出会えたと思っています。

また、現場での問題解決法をコンテンツ化して一般女性向けの講座や専門職への研修を行ったり、助産院に限らず起業する女性のコンサルテーションを行うなど、自分の起業家としての経験や学びも余すことなく伝えて、女性起業家たちがより良い未来を築けるようサポートしています。

こうやって多くの人に支えられてここまで来ることができ、私も次の世代へのバトンタッチを考えるようになりました。弟子としてほとんど無給、無休で助産院に住み込んで働き、長い時間かけて伝統的な知識や技術を学んだ時代から、少子化や働く人の権利への考え方の変化により、今では弟子を抱えて育てようという助産院はほとんどなくなりました。

私自身も、表面的なノウハウを奪う事だけを目的に就職してくる状況に疲弊し、どうしたら経験や知識だけでなく本当に大切なことを後輩に伝えることができるのか悩んでいました。そんな時、「ブログをやってみたら?あなたのマインドは発信することで心ある人に伝わるし、自分自身を振り返る良い機会になるよ。」というアドバイスをいただき、アメブロを再開することに決めました。このアカウントは、何年も前に研修会で作って一度だけ投稿したものでしたが、今回再スタートを切ることになりました。

これからは、このブログを通じて、私の考えや日々の出来事、そして開業助産師としての知識や経験を皆さんとシェアしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。