母から小包が届いて、その中に、

あなたに譲るわ。

って、私の祖父が床の間に飾っていたネズミの置物が入っていた。

うすぼんやりと、そのネズミの置物が、祖父母の家の奥の座敷にあったことを覚えている。

祖父、祖母が逝った後、母が譲り受けていたらしい。

 

石作り(大理石?)で、ずっしり重い。

すべすべつやつやしている。

ネズミの姿は、かなりリアル。

母の子供の時には、既に床の間に置いてあったというから、きっと、百年は経ていると思う。

 

祖父は無口な人だった。私を可愛がってくれた。

もっと話しをしておけばよかったな。

このネズミさんの由来を聞くことだってできただろうに。

 

このネズミさんは、これから、私の守りネズミさんになる。