先月まで、夜遅く目を覚ますと、里山の奥の方から、鹿の恋鳴き声が、細く高く聞こえていた。
山奥の恋心の切ない声。
彼女ぉ、僕はここにいるよぉ。ここに来てくれよぉぉぉぉぉ~
みたいなね。
このところ、畠にいると、昼日向、畠の向こうの里山から、鹿の恋鳴きが聞こえるようになった。
連中、山の奥から、里の方へ、移動してきている。
何となく、夜遅く聞くよりは、落ち着き払っているような鳴き声にも聞こえる。
イェイ!秋が来た!デートしようぜぇ!
みたいな。
まぁ、鹿の恋路だ。邪魔する気はないが。
畠でデートは止めてね。