畠の近くの電信柱は、カラスたちのたまり場の一つ。
集落の、ほぼ中央に位置していて、柱の上からなら(私はやって見たことはないが)集落中を見渡せる。
この柱の下には、失敬してきたらしい作物(果菜とか果実とか)の啄んだ残渣がよく落ちている。
今日は、畠の向こうの空き地で、数羽のカラスが集まって、ワーァワーァ言い合っていた。
何やら寄り合って論議しているんだろうなぁ。
あそこの畠のトマトを獲りに行くべきか。
いやいや、そうじゃなくて、あっちのナスでしょう。
やっぱキュウリですよ!
とかかな?
などと、除草作業しながら思っていた。
論戦華やかに続いていたが、ふっ、と静かになった。
カラスの羽音はしなかったから、飛び立ってい行ったようでもない。
顔を上げたら、2羽がそっぽを向いて分かれて行っている。
(とことこ歩いてね。)
中間に、
どうしたものかなぁ?
と当惑しているような1羽がいる。
物別れに終わったのか。
うん。まぁ。それぞれの道を行きなさい。
作物を食害するので、カラスは困りものではあるけど、私は、何となく好き。
見ていると面白い。
だからと言って、私のトマトを喰いにきたら、断固、追い払うけどね。