「 読書の秋」が来るのだが。

「読書の秋」は「秋作の秋」でもある。
「食欲の秋」でもあるが「秋作の秋」だし、「スポーツの秋」「芸術の秋」でもあるが「秋作の秋」だ。
ともかく、秋はとっとと秋の作付をしてしまわないとならない時期なのだ。
 
まぁそうは言っても、ちょこまか本も読んでいる。
8月下旬から9月中旬までに読んだ本(読み中の本も)。
 
「赤毛のアン」 L・M・モンゴメリ 著
十代半ばから後半、アン・シリーズを全部読んだ。
その最初の一冊を今更読み直してみて、
この物語の最初3分の2くらいと、それ以降は、物語のリズムが違うのではないか?
と言う印象を持った。
最初の3分の2は、アンの見た風景とアンの口から出た言葉だけで話が進んでいく。
それ以降は、作者がアンの行動や周囲を語っていく。
アンが成長して、言葉少なになって行く変化が、物語のリズムの変化でもあるのかなぁ、などと思たりした。
 
「白鯨」(読み中) メルヴィル 著
「赤毛のアン」と同時進行で読み始め、現時点では読了していない。
読んでいて、私の勝手な印象なのだが、「白鯨」と「赤毛のアン」は、似通っているかもしれないと思った。
アン、イシュメール、自分の目に映る事物を語って、物語を進行させて行く。
観察し、自分の印象で世界を作って行く。
「白鯨」を読むのに、時間がかかるのは、この話、巨大な刺繍布みたいだからではないかと思ったりしている。
色糸である模様を作る(一章)、章が終わるとその色糸は布の裏に刺し隠されてしまう。
章が何章か進むと、布裏に垂れ下がって隠れていた色糸が布表に出てきて、模様の続きを刺繍しだす。
筋は連続しているのだけど、それとは違う「語り」があって、ちょっとした物語の模様が別の模様に繋がって、それまでの様相とは異なる物語になって行くって感じだ。
 
「ゴッド・ガン」 バリントン・J・ベイリー 著
短編集。タイトルに惹かれて図書館で借りた。
集録の中で好きなのは「大きな音」。
作品の思考実験を楽しめると面白いけど、少々グロテスクな話が多いかな、とも思ったりした。
 
「仔犬のローヴァーの冒険」 J.R.R.トールキン 著
月の光の道をカモメが仔犬を乗せて月まで行く。
素敵だ。
 
「ブラッディ・カンザス」 サラ・パレツキー 著
う~ん、、、私としては、V・I・ウォーショースキー・シリーズ の方が好きです。
 
読み中は、「白鯨」と「アルテミス」(アンディ・ウィアー著)。
と、農作関係の本2冊。
小説に耽溺できるのは真冬になってからかな。