林道で犬に追い駆けられた。
なぁんて話しをしていて、そういう時、どうするのが一番正しい対処でしょうか?
って、聞いてみた。
ひたすら逃げて、その犬のテリトリの外へ出てしまう事でしょうか?
それとも、向き合ってその犬以上の威嚇をすることでしょうか?
そういう道には行かないのが一番です。
と、すごく真っ当な答えをいただいた。
うん、まぁその通りね。
でもさ、そうしちゃうと、独りの時は自動車でしか外出できないってことになっちまうよ。
山間に住んでいると、外に出たら、獣に遭遇するのは、常にではないにしても、普通のことだもの。
などとブツブツ言いながら今日も腰に鈴付けて林道に走りにいった。
道沿いの山斜面からは、カサッとか、ザザザッとか、何かが動き回る音が時々聞こえてくる。
風の音や沢の音のこともあるが、そちらに目を向けると、何かの影が動くこともある。
獣がいるんだな、って思う。
楽しいわけでもないが、怖くてしかたないわけでもない。
警戒しなきゃ、とは思う。
今日の影は、少し大きかったから、多分鹿。
そろそろ冬眠の熊も、目覚める頃なのだろうか?だとしたら寝ぼけた熊?
暗くなる前には家に戻り、つくづく、街中に暮らすことは、贅沢なことなんだな、と戸を閉めながら思った。
街中に住んでいた時は、夜になっても、街灯があって明るいし、コンビニという24時間エイドもそこここにあるので、ナイトランとか称して、独りでヒョコヒョコ走りに行っていた。
それを今住んでいる山間でやるのは、勇気ある冒険と言うよりは、無謀なアンポンタンだろうな。
自然たっぷりなら、スポーツやり放題か、というと、さにあらず。
おそらく、都会暮らしの方が、ずっと自由にスポーツライフを満喫できそうに思われてならない。