山間道を走っていると、ふと、なぁんとなく、早く通り過ぎたくなる区間が出現することがある。
特別な区間、場所、というわけでもない。
いつもなにも感じず、走り抜ける所だ。
往路、気楽に鼻唄なんぞ歌いながら(登り道だから、それなりに息は上がってはいる)通り過ぎた、同じ杉の木立を抜ける道。
折り返してのの復路、そこに差し掛かったら、なぁんとなく、不安になった。
同時に、
速く走ろう。
って、ピッチを上げた。
どうしてそうしたかは、分からない。
後でランウォッチでペースの確認をしたら、その200mくらい、妙にペースアップしている。
走っていると、次第に余計なことが頭の中から叩き出され、何も考えない、何も思わない、って状態になることがある(脚を動かすのと呼吸だけで精一杯になるからだろうね)。
その時って、もしかすると、一番感覚が自由な状態になっていて、色々な外からの情報を何の邪魔もなく受け取れるようになれているのではないのかなぁ?と思ったりした。
あの200m、山斜面に何ががいたのかもしれない。
冬眠前の熊、うろうろしている猿やアナグマ、イノシシ。。。
「私」は、それを知っていたのかもしれない。
それで、急いで通りすぎようと脚を早めたのではないのかな?
案外、人間は「動物」なんだろうな。
この写真は折り返し点で撮った。
(不安な区間では立ち止まって写真撮る気分にはならないものね。)
大きな岩の上から下の渓谷まで根を伸ばしている樹で、私の好きな樹。
10kmくらい走りたい時は、この樹を折り返し点にしている。