80歳を超えている両親が農園を見たいとやって来た。
私の両親は関東に住んでいる。
2日前に車で出て、フェリーで大分に渡り、その後、山口を通って今朝、広島の私の農園訪問をしてくれた。

父は台湾からの引揚者で、台湾から日本へ引き上げて来た時に上陸したのが大竹港あたりだったらしい。
その時、引き上げ船から陸(日本)を見ていたら、桜が咲いていて、あぁ日本なんだ、と思ったんだ、と思いで話しをしてくれたことがある。
同じ時期、かつて引き上げて来て日本の土を初めて踏んだ(父は台湾で生まれた)場所を見たい、ついでに娘の農園を見ておくか...
ってことのようだった。

午前10時頃着く予定。

と連絡をもらっていたので、そのつもりでいたら、それより1時間半早く、着いたよ~、と農園隣の4月下旬引っ越す予定の家に到着。
お湯も沸かしていなかったので、慌ててお湯を沸かしてお茶を入れた後、農園を案内。

ほ~
へ~

って感心して見てくれた。
が、より興味を示したのは、引っ越す予定の家。
興味、というか、草ぼうぼうの庭に「意欲」が湧いたらしい。

ハサミを貸してくれ。

というので渡したら、荒れた庭の木の剪定やら(父)、草の片付けやら(母)をし始めた。

あ、いや、長旅疲れているから、休んで家の中でお茶でも...

とは言ったのだが、「私」の両親だ。
聞くわけがない。

そうなると、私も庭片付けに参戦せざるを得ないよね。

午前中いっぱい、親子3人で庭片付けをした。
親子で何かをするのは、何十年ぶりだったかもしれない。

両親は結構楽しそうに庭仕事をしてくれて、私も奇妙に楽しく落ち着いて一緒に庭にいた。

ふと

もう、こうやって父母と一緒に何かをする、ってないかもしれないなぁ。

とも思った。

私が畠から取ってきた野菜で作ったサラダやら、お浸しやらでお昼を食べ、その後、

今日は岡山で泊まるんだ

と父母は帰って行った。

来てくれたことに感謝。
帰路、無事でありますよう。