マラソン大会を無事完走できた後は、権現山の毘沙門天さんにお礼に行くことにしている。

しわいマラソン後10日が過ぎ、そして豪雨災害から1か月が過ぎ、坂道走もしたくって、午後権現山に向かった。

浄水場まで行く坂道は、被災地復旧のための土砂を積んだトラックが頻繁に行き来している。
浄水場近くの空き地が土砂の集積場になっている。

そこを過ぎると、いつもの(以前どおりの)静かな山道になる。

でも、半キロも行かない内に、

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それはそうだろうな。
人の住む地域の復旧が先だ。
生活に直接の影響が少ない山道の復旧は後になる。

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それでも、人が通った跡があるので先に進んでみることにする。

かなり荒れていて、もちろん自動車で入ることは無理。
二輪車でも無理。
人の足で進むことはできる。

あたり一面、山の底がひっくり返された、独特の匂いがする。
形容しがたい匂いで「山の底の匂い」としか言いようがない。

権現山まで登り、そこから毘沙門天まで西回りの道を通って降ることにする。

豪雨は東側に叩きつけた。
西回りの道の方が、幾分荒れ方が少ないだろうと判断した。

もともと西回りの道は急な斜面の道なのだが、豪雨の被害、という点では、道に影響はなかったようだ。

五重塔まで降り、毘沙門天さんに行った時、茫然とした。

境内には巨石が転がり、お堂は泥だらけだ。

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丁度、お堂の正面の山の斜面が崩落したのだ。

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斜面の土砂、岩が、毘沙門さんを直撃した。

それでも、重機が入っていて、土砂を土嚢に詰め込んであるので、歩くことができる。

しばらくは、ぽかーんとしていた。
その後、泥のお堂に入って手を合わせた。

お堂の屋根に付いていた、獅子や象の木彫りも泥をかぶり、割れたりしている。
屋根から外しておいてあった獅子の頭。

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なんだか、泣いているように見えてしかたなかった。