来週から9月。
そして、不通だった可部線の緑井-可部間が復旧する。

ホッとしたし、嬉しい。

普段その区間を使っているわけではないのだけど、それでも、今まで通りの日常を取り戻して行けるのは元気付けられる。


本日8/30、夏雲の浮かぶ晴れ日。
8月に入って晴れ空を朝から見ることができたのは初めてのような気がする。
気象台によると、8/29までで、8月の広島、丸一日晴れていたのは1日だけだったそうだ。
とすれば、そして今日午後からもずっと晴れていてくれるのなら、8月に入って2回目の晴れ日ということになる。


8/20の土砂災害の朝、夜から明け方にかけての、ものすごい雨と雷が止んで、(可部地区で川の決壊があり緊急車両が出動している、というところまでは把握してはいたものの)いつも通り研修畠に出かけた時には、あれ程酷い災害が発生しているとは思っていなかった。

私が、これは何か変だ。
と思ったのは、三篠川の土手を自転車で走っている時。

川の水は当然増水し、ものすごい勢いの土泥水だったが、土手までその水が届くには余裕がある状態。
いつも通り鼻歌を歌いながら(激雨明けだったから、それなりに注意は払っていた)横目で川の流れを眺めながらママチャリをこいでいた。



と思うものが川面に浮かんでいた。

sika


これだとよく分からないのだが、岸の緑に近い中央の白い塊。
毛の生えた何かの生き物らしい。

自転車を止めてドキマギして目を凝らすと、ふわぁんと流れに細い4本の足が浮き上がっては沈んで流れて行った。

山に住む鹿だ。

山崩れに巻き込まれ、土砂と一緒に川まで押し流されたのだ。


何かひどいことが起きた。

と、その時気が付いた。

敏捷な鹿が巻き込まれるような激烈なことが周辺の山で起きている。

気楽な鼻歌は止め、川土手から、より安全だと思われる広い車通りの方へ自転車の進路を変えた。
(結局、私は何ら支障なく、行き帰りできたのだけどね。)



土砂災害の人的な被害はもちろんなのだけど、

山に住む生き物、里山の水源の元に広がる田畑、有名じゃないかもしれないが地元の方々に大切にされて来た社や祠や寺。
それらも叩きのめされてしまっている。

被害にあわれた方たちの気持ちが立ち直るのには、物的な復旧よりもずっと時間がかかる。

その気持ちを僅かでも早く楽にするには、そうした、今まで当たり前にあった身近な風景が元通りになって行くことも、必要な要素の一つだと思う。