11月6日土曜、気持ちよく晴れた中を、前日移動をして下関に入る。
前日受付でゼッケンを受け取り、後はのんびりと、雲丹ソフトクリームなんぞ舐めながら唐戸市場など見て歩く観光客と化す。
下関海響マラソンのコースは、海沿いを走る気持ちよいコースだ。
明日は楽しく走ろう、などと思いつつ、宿へ向かった。
ただ、既にこの時点で、左膝が少々変だな、とは思っていた。
宿でストレッチ&気になる左膝を揉み解し、念のため、湿布までして休む。
10月のMIKANマラソン、11月の平和マラソンの何れでも、左膝が引き攣って痛んだ。
今回も、どこかでそうなるのじゃないか。。。と、不安にもなっていた。
走る前に、身体的な痛みを気にして不安になったのは初めてだ。
翌朝、
スタートラインに立って走り出せば何とかなるもんさ。
と、例によって、極楽蜻蛉になってスタート地点に向かう。
スタート前の、あのわくわく感はたまらない。
これから42.195km走るんだ。
という、言いようもない楽しさ嬉しさって、何なのだろうね。
走り出して2kmは、やはり左膝と両アキレス腱が気になって仕方ない。
3kmを過ぎる頃(壇ノ浦、関門橋あたり)、身体が温まって調子が良くなる。
これなら走り通せそうだ。
ほっとして、少しスピードを上げる。
関門医療センターで折り返し、10kmを走り過ぎたあたりから、左膝が引き攣り出す。
だんだん気持ちに余裕がなくなり、あたりの景色を楽しめなくなりだす。
このあたり、海沿いを行く、本来なら、ものすごく気分の好くなる箇所なのに。。。
彦島に向かう、アップダウンが始まる20km付近になると、これは拙い状況になりつつあると、はっきり認識出来る程、左膝が痛み出す。
25km、棄権しようと思う。
トイレ休憩を取り、暫くストレッチをしながら、諮詢する。
棄権した方がよい。
いや、まだ大丈夫。もう少し走れる。
結局走り出す。
29km、気持ちに余裕が一切なくなり、膝の痛みだけで頭が一杯状態。
とにかく休まないと先には行けない。
いや、先に行けるんかいな?棄権する潮時なんじゃ。。。。。
何とか痛みを取りたくて、長州出島でエイドに行き、専門学校のボランティアの方にアイシングをしてもらう。
アイシングでとても楽になる。
冷やしながらマッサージをしてくれた、学生さんには感謝だ。
暫く休み、取りあえず走り出す。
少し食べた方がいいかなぁ、という気持ちの余裕も出て、お素麺をいただく。美味。
走り出して1kmぐらいで、また痛みが強くなりだす。
困ったことに、貧血までしてきて、気分が悪い。
それまでは、左膝に痛みはあっても、呼吸も腕振りも楽にできていたのだけど、それも危うくなりだした。
拙いよぉ、道路に倒れたくないよぉ~。
倒れてしまうぐらいなら、棄権して回収バスに乗ろう。。。
次のエイドでリタイアだ。
もう走れないので、左足を引きずりながら35kmエイドへ向かう。
アンパンは貧血に効くのじゃなかろうか?との期待の元に、エイド手前の給食所でアンパンを一ついただく。
貧血に効くかどうかはともかく、甘い餡子に気持ちが緩んで、肩から力が抜けた。
エイドまではともかく歩けた。
アイシングしてもらうつもりで、エイドに入ったのだが、救急ボックスを見るとテープが置いてある。
テーピングしてもらえれば、痛みが少なくなって、まだ走れるんじゃ?????
他のランナーさんたちのアイシングでおおわらわの中、
左膝にテーピングしていただけないでしょうか?
とお願いすると、ボランティア(整体医院の方だと思う)の方が、親切に左膝にテーピングしてくださった。
「う~ん。腰からきた痛みみたいですね。」とのこと。
腰?痛いのは左膝なのに???変な走り方をしていたのかな?????
テーピング後、そっと立ってみたら、痛みが激減している。
曲がらなかった膝が曲がる。足が上がる。
テーピングってすごい。
今回のマラソンで一番感動した瞬間だ。
テーピングをして下さった方。ありがとうございます。
こうなったら、あと7kmを鈍くても走って完走だ。
ジョグの速度で走る。
ゴールのことはよく覚えていない。
予想タイムより1時間以上オーバーで帰ってきたゴール後、テーピングで足は動いているものの、左足を引きずっている私に、待っていた家人
「棄権すりゃいいのに。」
ご尤も。その通りでございます。
5時間25分。
走った、とは言えない42.195km。
いろいろな人に助けてもらった42.195km。
一日たって、今回の走りを大反省中。