夕方、彼の実家に
お邪魔して持参した浴衣を、
お母さんに着つけてもらった。
「せいかちゃんほんと華奢ね。
帯の結び方、少し変えた方が
バランスよさそう」って、
私の体に合わせて、
骨折から治ったばかりの手を
丁寧に手を動かしてくれて。
「かわいくしてあげるからね」
って笑いながら、
色合いや形に気を配って、
私に似合うように結んでくれた。
仕上がった浴衣姿に
うれしくて鏡の前で
そっと一回転してみた。
その瞬間お母さんが
ふふっと笑って
「うん、やっぱりかわいいわね」
って。
私は「ありがとうございます」
って思わず深く頭を下げた。
彼はお昼から準備が
あるからって、
ひと足先に会社へ。
私は18時から始まる
七夕祭りに向けて、
浴衣姿のまま会社へ急いだ。
会社の駐車場には、
例年通りテントが
並んでいて屋台の準備が
終わっていた。
七夕祭りは取引先の方たちも
今日だけはラフな格好で
訪れていた。
私は飲み物を注いで渡す係で、
「何を飲まれますか?」と
声をかけながら
忙しく動いていた。
その合間に「かわいいね」と
言ってくれる人もいた。
彼の方をチラッと見たら、
なんとなく目が合って、
それだけでうれしかった。
しばらくして、
先輩が私に言ってくれた。
「せいかちゃんも、
少し休憩してきな。
ほら、なおやくんも
休憩してるみたいだよ」と
その言葉に甘えて、
私は両手に紙コップの
ジュースを持って、
彼のもとへそっと近づいた。
「なおやさんお疲れ様です」
そう声をかけると、
彼はふっと微笑んで、
「お、せいか、ありがと」
とふたりでジュースを飲んだ。
「ふふっありがとう」
「もうあれから2年か。
なんか、あっという間だな。
いろいろいろあったけど
こうしてとなりに
せいかがいてくれて、
本当にしあわせだよ」 と
言った彼の言葉が心に染みた。
彼は私をぎゅっと抱きしめて
少し長めのキスをした。
「もーせいか、かわいすぎる」と
照れたように笑って
またキスをしてくれた。
自宅へ帰ると、
彼が「浴衣脱がせてもいい?」って
聞いてくるから
「うん」とだけ返事した。
「今日すごく綺麗だった、
せいか」と言いながら
少しづつ帯をほどいていった。
浴衣が肩から滑り落ちて
彼は肩にキスした。
「せいかの浴衣姿、ずっと見てたよ。
笑った顔も真剣に
飲み物渡してる顔も、
ぜんぶ好きだなって思ってた」
そう言ってやさしく
抱き寄せてくれて
「せいか、好きだよ」
といって抱きしめ
ディープキス。
「私、汗たくさんかいたから
きたないよ」って
言っても
「いいよ、大丈夫」と言って
私の体を上から下まで
舐めたりキスしていった。
彼の手つきがいやらしくて
それだけで感じて気持ちよかった。
「せいか、大好きだよ」 と
言いながら立ちバック。
今夜の彼は、
特別に甘くてやさしかった。
