日曜日の午後、 
彼とランチのあと、
ショッピングモールへ寄った。




 お店をぐるぐる見てまわって、
雑貨屋さんで
「これせいかに似合いそう」とか
言ってくれるのが嬉しくて、 
ずっとにこにこしちゃってた。






 途中、サングラスが売ってる
お店に入って、
 彼が「ちょっと見てみようかな」
っていくつか試着を始めた。 
 「ねえ、どれがいちばん似合う?」
 って聞かれても、
 正直どれもかっこよくて
選べなかった。 
 「うーん、
どれつけてもかっこいい」 
って言ったら、
彼は「それじゃ選べないじゃん」
って笑ってた。


 



結局、一番かけ心地が
よさそうなサングラスを選んだ。
 帰りの車の中で、
 彼がサングラスをかけ
こっちを向いて
 「どう? 似合う?」って
聞いてきた。




 その姿があまりにも
かっこよくて、 
心臓がバクバクした。 
 「めっちゃ似合ってる…」って
 顔が熱くなるのを
ごまかしながら言ったら、 
なんだか勇気が出てきて、 
そっと彼の頬に両手を添えた。 
 「ほんとに、かっこよすぎ…」
 そうつぶやいて、
思わずキスしてしまった。 





 キスのあと彼が
ちょっとびっくりした顔して、 
でもすぐに笑って、 
「せいか…かわいすぎ」って
頭をくしゃっと撫でてきた。
 「ごめん…我慢できなかった」
って言ったら、 
「めちゃくちゃうれしいよ」って、
 言ってくれた。



車の中、彼はずっと
サングラスをかけたままで、 
私はつい、その横顔ばかり
見てしまってた。




 かっこいいなあ…って、
 何度も心の中でつぶやいてたら、
彼がふっと笑って、 
 「そんなに見つめられたら、
俺、とけちゃうよ?」って。 
冗談っぽく言うけど、
少し照れてる声。 
 「だって、かっこいいんだもん」
 私はむくっと口を
尖らせてそう言ったら、
 「かわいっ」って小さく笑って
 信号待ちの間にキスしてくれた。





 渋滞中で車がほとんど
進まないのをいいことに、
 ふたりで内緒のキスを
何度も重ねた。






 ゆっくり車が動き出しても、
彼は私の手を握ったまま 
 「こんなにも俺を好きで
いてくれるせいかがいてくれて、
 俺、ほんとに幸せ者だな」 
 そう言って握った手に
ぎゅっと彼は力を込めた。




私はそっと彼の手の甲に
キスをして、 
「私も幸せ者だよ」って、
小さな声でつぶやいたら
彼はやさしく笑ってくれて
その笑顔にドキッとした。





毎日一緒にいるのに、
 なんでこんなに
ドキドキするんだろう。
 手がふれただけで、 
名前を呼ばれただけで、 
心臓が跳ねるみたいに
トクンってする。





 彼が笑ってくれると、
 それだけで嬉しくて、
 なんでもない日が特別に変わる。
 「せいか、ほんとかわいい」
 って、そんなふうに
言われるたびに、
 耳まで赤くなってるの、
自分でわかるのに 
どうにもできなくて。 
 好きって、
 毎日ちゃんと増えていくんだね。