放課後 同じクラスの友達が、
話しかけてきた。 



 「ねえ、せいか、
やっぱ恋ってさ、
3ヶ月くらいが
限界じゃない?」って。




 「え、どうして?」
って私が聞くと





友達はこう言った。
「最初は好き好きってなるけどさ、
だんだん相手の嫌なとこ
見えてくるし… 
ドキドキもしなくなってくるし。
私、この前の彼とも
3ヶ月で終わったんだよね」 




 「そっか…」って
うなずいたけど、
 私はそのとき
彼の顔が浮かんでた。






 もうすぐ2年になるのに、
 毎朝「いってきます」の
キスでドキドキするし、
 帰ってくるとホッとして、
せいかって名前を
呼ばれるたびうれしくなる。 





 3ヶ月で終わる恋もあるけど
 私の恋はまだ全然
終わる気がしない。
 彼のくしゃっと笑う顔や、
 眠そうに背伸びする仕草、 
ちょっと抜けてるところも、
優しさも全部大好きだって、
今も変わらず思えるから。 




 その日の夜帰宅した彼に
何気なく聞いてみた。
「ねえ、私と付き合い始めて
3ヶ月くらいって 気持ち、
変わったりした?」





彼はワイシャツを
脱ぎながらちょっと考えて、 
「んー…むしろ、
どんどん好きになってたけど?」
 って照れくさそうに笑った。
 その言葉がうれしすぎて
思わず彼の腕に
ぎゅっとしがみついた。





 「俺、最初ね、せいかに
話しかけるたびちょっと
ドキドキしてたんだよ」 




 
「えっ、ほんと?」






 「うん。かわいくて、
まっすぐで。
 話しかけるだけで
心臓ばくばくしてた」





 「なにそれ」って笑ったら、
 彼は私の髪をなでながら、
そっと言った。




 「でも今はね、隣に
いられるだけでほっとする。
 せいかがいてくれる
ことが俺の毎日の幸せ」
そう言いながら、
彼は私の頬にキスしてくれた。






私がそばにいることを、

 「幸せだよ」って

言ってくれる彼がいる。

 その言葉を聞くたびに、

 胸の奥がじんわり

あたたかくなる。

 私もね、そんな彼のことを

これからもずっとずっと、

 好きでいられる気がする。 

 そう思える毎日が、

 もうすでに幸せなんだと思う。