三者面談のあと
コンビニで
飲み物を買って車に乗った。
彼は「おつかれさま」と
ニコッとした。
私も「なおやさん、
今日はありがとう」って
言った。





彼が私をじっと見て言った。
 「それにしても…せいか、
きれいになったね」





 「え?なに急に?」 






「初めて会ったときから、
もちろん可愛かったよ。
 何気ない仕草とか言葉とか…
いちいちドキッとしてた。
 気づいたら、
ずっと目で追ってて、
どんどん惹かれていったんだ。 
 でもね、あの頃よりも、
今のせいかに、
もっと惹かれてるんだよね」





私は思わず笑いながら 
「なおやさん、
またそうやって
からかってるでしょ」
 そう返したけど、
彼の表情は真剣だった。





「俺、本気で言ってるよ。 
2年前に出会ったときも
惹かれたけど、 
今のせいかのほうが、
もっと好きだなって思う。
 中身も表情も、
少しずつ大人っぽく
なってきてさ、 
そういう変化を見るたびに、 
気づけば気持ちが
どんどん大きくなって
いくんだよね」





 
私は「うれしい…
ありがとう」って
言うと、
彼はやさしく笑って
私の手を握って言った。




 「これから先
どんどんきれいになって
いくんだろうなって思うと、
楽しみだな。
俺もちゃんとせいかの
隣にいられるように、
頑張らなきゃね」






その彼の言葉に 
照れくさくて、
でもすごくうれしくて。
私は彼の目を
ちゃんと見て言った。




 「私ね、なおやさんの
そばにいるとなんか
がんばろうって思えるし、
 もっときれいになって
もっともーっと好きになって
もらいたいなって思うんだ」
 





彼はちょっと
照れたように笑って、
 「なんかそう言われると
うれしすぎてニヤけちゃうな。
俺も、せいかのこと
毎日好きが増えてってるよ。
 もう、どんだけ
好きなんだって思うぐらい」
と言った。





 ふたりしてなんだか
照れくさくなって
笑いあった。
そして「せいか」と
やさしい声で
呼ばれキスした。






  彼のことが大好きで、
 その気持ちがまっすぐ届いて、
 彼の気持ちもちゃんと
返ってきてなんかもう、
 うれしくて、
恥ずかしくて、
幸せすぎて。 
ずっとこのままがいいなって、 
心の中で思った。