ずいぶん前に読んだ
少女漫画に
“日々を丁寧に生きる”って
言葉があってそれが
ずっと胸の中に残ってる。
それから私は、
暮らしのひとつひとつに
少しだけ気持ちを
込めるようになった。
たとえば洗濯物。
毎日使うタオルや
Tシャツだからって、
適当に畳むんじゃなくて、
次に手に取るときのことを考えて、
きれいに重ねる。
母親がいなくなってから、
私は強く思うようになった。
せっかく生きてるんだから、
毎日を雑に扱いたくない。
ちゃんと大事に過ごしたいって。
それを彼は
ちゃんと見てくれてる。
昨日の夜、
いつものように
いつものように
洗濯物を畳んでいたら、
ソファからこっちを
見ていた彼が
こんなことを言ってくれた。
『いつも思うんだけどさ、
せいかって、
見た目だけじゃなくて
心もキレイだよね。
暮らし方までちゃんとしてる。
とてもひとつひとつ丁寧で
それがすごく素敵で、
かっこいいなって思うよ』
その彼の言葉に
私は照れくさかったけど
『ありがとう』って
彼の目を見て
笑顔で返した。
彼が私の横に来て
『いつも好きだけど、
こういうふうに何も言わずに
頑張ってるとこ見ると、
もっと大事にしたくなる』って
おでこにキスしてくれた。
私にとっては、
もう当たり前の習慣。
だけど、こうしてちゃんと
見つけてくれる人がいると、
やっぱりすごくうれしくて
もっと丁寧に
生きていきたいって思った。

