朝、 キッチンで
彼のお弁当を詰めながら、
 私はこっそり小さなメモに
文字を書いた。
 内容は、ほんのひと言。

 

『今日の唐揚げ、

ちょっとだけ自信作。

 あとは…がんばりすぎ注意。

だいすき♡せいかより』って書いて

照れくさいから、
あとはイラストでごまかした。





  2段になってるお弁当の
ふたのすき間に、
 そっと差し込んだ。
ちょっとしたことだけど
心があたたかくなった。 
 



お昼過ぎ。 
私はテスト期間だから
自宅に帰ってひとりでご飯。
「ピロン」って音がして、 
見たら彼からLINE。
 開いてみると、
こんなメッセージ。





  『お弁当ありがとう!
 ふた開けたら不意打ちすぎて、
ひとりでにやけたの
バレそうだったよ。
 唐揚げもうまかったし、
メモの一言で午後乗り切れる。
 せいか、ほんとありがと。
大好きだよ』




それを読んで 私はすぐに
返信を打った。 
 『喜んでもらえたなら大成功♪ 
でもにやけるのは
自己責任だよぉ!
お仕事頑張ってね♡』って。




  言葉だけじゃない。
 こんなやりとりも
私たちにとっては、 
ちゃんと『好き』が伝わる、
大切な会話なんだと思った。




さぁ、私もテスト勉強に
お買い物に夕飯の支度
やること盛りだくさん。
頑張らなきゃ。