ドライブデートから
家に帰ってきて、
 玄関のドアを開けて部屋に
入った瞬間私はふと思った。
やっぱりここが
いちばん落ち着く。




 生まれ育った家でもないし、
 まだ暮らし始めて3ヶ月しか
経ってないけど、
 彼と過ごしてるこの空間が、 
いちばん心がゆるむ場所に
なってた。





 リビングに入るなり、 
お互い自然に
同棲ルーティンが始まって、
 あっという間に
ソファの上はくつろぎモード。 
 テレビをつけたけど、
別に真剣に観るわけでもない。
 隣にいる彼のぬくもりが
心地よかった。 





 彼がふとつぶやいた。  
『やっぱり、この家には
せいかがいないと
ダメだね』 って。
すごく特別な言葉じゃないけど
とてもうれしかった。




すぐに私も返事した。
『私も帰ってきた瞬間に思ったよ。
 すごく落ち着くなって』 
私がそう返すと、 
彼は肩を寄せてきて、 
『そっか、うれしいな
おかえり、せいか』と、
彼は少し照れたように笑った。




 ふたりで顔を見合わせて、 
なにも言わずに、
そのまま見つめ合って
キスした。
見つめあってはキス。
見つめあってはキスの
繰り返し。
『なおやさん好き』って
言葉を何度も言いながら
キスを続けた。





 なんでもないような
やりとりなのに
『ここが私の居場所なんだ』って
思えた夜だった。